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バニヤン Bunyan, John

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バニヤン
Bunyan, John

[生]1628.11. ベッドフォード近郊エルストー
[没]1688.8.31. ロンドン
イギリスの説教者,宗教文学者。家業の鋳掛け屋を継ぎ,内乱に際しては議会側に立って戦った。妻の影響によって信仰の道に入り,説教活動を始め,王政復古後は非合法説教のゆえに投獄されたが,信仰を捨てなかった。精神的自叙伝『溢れる恩寵』 Grace Abounding (1666) ,世界中に愛読者をもつ寓意物語『天路歴程』 The Pilgrim's Progress (2部,78,84) のほか,『悪太郎の一生』 The Life and Death of Mr. Badman (80) ,『聖戦』 The Holy War (82) ,説教パンフレットや他宗派との論争文がある。

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百科事典マイペディアの解説

バニヤン

英国の牧師,作家。鋳掛屋をしているとき書物によって信仰に目ざめ,非国教の新教の戦闘的説教者として再三投獄される。代表作《天路歴程》のほか《悪太郎氏の生涯と死》(1680年),《神聖な戦争》(1682年)や,信仰告白録《あふれる恩寵》(1666年)がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

バニヤン【banyan】

インド原産のクワ科常緑樹。別名ベンガルボダイジュバンヤンジュ樹高は30mに達し,樹幹は太く生長力が強い。横に伸びた枝から多くの気根を出し,これが地上に達すると幹のようになるため,1本の木が林のように見える。大きなものは樹冠部の直径130mにも達する。イチジク属の特徴で,白い乳状の樹液を出し,径1.5cmほどの果囊(かのう)は無柄で2個ずつつき赤熟する。葉は卵形あるいは卵円形革質,長さは10~25cm,基には柄がある。

バニヤン【John Bunyan】

1628‐88
イギリスの説教者,寓意物語作者。ベドフォードシャーの片田舎に生まれ,読み書き以外にほとんど教育も受けず,家業につき鋳掛屋となった。1644年ピューリタン革命において議会軍に従ったが,まもなく除隊し結婚する。妻の持参した宗教書を読んで感動し,遊びを絶って非国教徒の教会に入る。みずから説教を行い説教者として名をなした。しかし王政復古(1660)とともに,法を犯して説教したというかどで捕らえられ,61年から短期間の釈放の時期を含めて12年にわたって監禁された。

バニヤン【Paul Bunyan】

アメリカのフォーク・ヒーロー。実在の人物に起源をもつという説もあるが,確証はない。途方もない知恵と腕力をそなえた雲つく巨人のきこりで,19世紀の中ごろから末にかけ,巨大な青牛のベビーと大勢の部下を連れ,ミシガンウィスコンシンミネソタの大森林の伐採に活躍,ピュージェット湾シャベル浚渫(しゆんせつ)したことにもなっており,伝説上の足跡は合衆国の北半分にひろがる。きこりたちが,キャンプの火を囲みながら,彼についてのトール・テール(ほら話)を語り育てたものらしい。

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大辞林 第三版の解説

バニヤン【banyan】

クワ科の常緑高木。インド原産。高さ30メートルに達する。樹冠部は大きく広がり、横に伸びた枝から多くの気根を出す。果実は小形のイチジク状果で赤熟。聖樹とされる。ベンガルボダイジュ。バンヤンジュ。

バニヤン【John Bunyan】

1628~1688) イギリスの宗教文学者・説教師。熱烈な清教徒で、弾圧により二度下獄。代表作は獄中で書いた寓意物語「天路歴程」。バンヤン。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バニヤン
ばにやん
John Bunyan
(1628―1688)

イギリスの宗教作家、伝道者。ベッドフォード州の小村エルストウの鋳掛屋の息子に生まれる。小学教育のみで父の仕事につく。17歳で政府軍に徴集され、ピューリタンの内戦に従軍し2年後除隊、家業に戻る。服務中に急進的プロテスタント諸派の人々と接し、伝統的体制教会を否定し、個人に顕現する神の恩寵(おんちょう)に頼ろうと決意する。従軍中の体験はのちに『聖戦』(1682)にまとめられ広く読まれる。1653年ベッドフォードの非国教会派に入り、説教活動を行いクェーカー教徒と対立した。彼の読書体験は主として聖書で、それにジョン・フォックスの『殉教者伝』、それにアーサー・デントの『庶民の天国への道』などわずかなものに限られたが、宗教的熱情はきわめて激しく、精神的苦悩から一時は教会の鐘を人間に快楽を与える悪魔のしわざとして嫌悪するほどであったが、バプティストとなってようやく心の平安を得た。この間の魂の遍歴については自伝『あふるる恩寵』(1666)に詳しい。これは、無免許で説教を行ったかどで捕まり、60年から12年間の投獄生活の間に執筆された著作の一つ。その後チャールズ2世の信仰自由令により釈放、ふたたびベッドフォードの教会牧師となるが、重なる国法の変革で75年再投獄、6か月後に釈放される。この間に『天路歴程』の前編が書かれた。これに後編が加わって、84年全編出版の運びになる。聖書に通じる簡素・高雅な文体で、苦難や誘惑に屈せず天の都に達する主人公クリスチャンの行動が人々の感動をよび、ロングセラーとなった。ほかに評価される著作として『悪太郎の一生』(1680)がある。該博な聖書の知識、豊かな想像力、的確な表現力は抜群で、ミルトンの壮麗さは欠くが屈指のピューリタン作家の1人として、その後の英国散文に与えた影響は大きい。[船戸英夫]
『高村新一訳『バニヤン著作集』(1969・山本書店)』

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世界大百科事典内のバニヤンの言及

【木】より

…アッシリア人も聖なる力と宇宙の再生力の象徴としての聖樹の信仰をもち,前2000年ころから多くの芸術的表現をもつ。このほか,ゴール人はオーク,ゲルマン人はボダイジュ,イスラム教徒はオリーブ,インド人はバニヤンと呼ばれるイチジク,シベリアに住む原住民族はカラマツを,それぞれ聖なる木として崇拝した。これらの木はすべて世界の軸として,天と地が結ばれる場所,神性の通り道となる。…

【天路歴程】より

…イギリスの説教者J.バニヤンの寓意物語。全2部。…

【ピューリタン】より

… ピューリタンの思想家としては,エリザベス時代のカートライトThomas CartwrightやトラバースWalter Travers,ジェームズ時代のパーキンズWilliam ParkinsやエームズWilliam Ames,共和政時代のR.バクスターやオーエンJohn Owen,とりわけ詩人にして思想家J.ミルトンがあげられる。J.バニヤンは王政復古後のピューリタンの生き方を代表する。 ピューリタンの思想は広くはカルビニズムの流れに属するが,〈契約神学〉と呼ばれる独自なもので,神人関係も社会関係(家庭や国家)も契約で考え,聖書にのっとって地上に理想社会(〈神の国〉〈キリストの王国〉〈新しいエルサレム〉などと呼ばれる)を実現し,神に対し責任をもつ生活をすることを目標とした。…

【ベドフォード】より

…そののちベドフォードシャーの創設に際しては州都となり,ヘンリー2世(在位1154‐89)時代に自治都市となった。南郊のエルストー村で生まれた《天路歴程》(1678)の著者J.バニヤンは,この地で説教を行い,投獄された。18世紀の監獄改革者J.ハワードの旧跡や,1552年創立のパブリック・スクールであるベドフォード・スクールがある。…

【ミネソタ[州]】より

…湿潤大陸性気候で,根雪が数ヵ月も続く。州北東部を中心に林業が盛んであり,伝説的巨人ポール・バニヤンが活躍した舞台である。平たんな草原地も多く,小麦栽培が大規模に行われたので,ミネアポリスは製材,製粉の中心地として発達した。…

※「バニヤン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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