翻訳|puzzle
考え物,判じ物のたぐいをいう。パズルに似ているものにクイズがあるが,概していえばパズルが主として推理を必要とする問題を指すのに対して,クイズは知識や機知(とんち)を必要とする問題を指している。しかしこの二つの言葉はしばしば混用されているし,すべての問題がこのように明確に分けられるわけではない。パズルのなかで大きな分野を占めるのは,数学パズル(数学遊戯または数理パズル)と言葉のパズル(ワードパズル)である。数学パズルというのは,直接か間接に数学と関係のあるパズルで,そのなかには数字のパズル,図形のパズル,パズルゲーム,論理パズルなどがある。古代エジプトの数学書(ふつう発見者の名をとり〈リンド・パピルス〉と呼ばれている)のなかに,次のような問題を挙げている。〈7軒の家で,7匹ずつネコを飼っている。それぞれのネコは,7匹ずつネズミを取る。そのネズミは,麦の穂を7本ずつ食べる。この麦の穂からは7ますずつの麦が取れる。これらのものの数を合わせるといくらになるだろうか。答19607〉。文献では,これが最も古い数学パズルであろう。図形パズルの古典の例としては,10世紀アラビアの著名な数学者アブー・アルワファーの正方形三つを切り継いで一つの正方形を作る問題がある。これは下図のように二つの正方形を二分して一つの正方形のまわりに置き,はみ出した分をさらに切って,へこんだ部分を埋めるのである。
タングラム(知恵の板),ジグソーパズルなども図形のパズルである。言葉のパズルとしてはなぞ(謎),折句,回文,アナグラム(綴りかえ),クロスワードパズルなどがある。また中国では古くから字形に関するなぞが多く,松を〈十八公〉(松の字を分解したもの)と呼ぶのはその一例である。
→言語遊戯 →数学パズル
執筆者:高木 茂男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
字探し、絵探し、迷路などの判じ物のこと。類似の意味に使われるクイズquizは、おもに出題者の質問に答えるものであり、パズルは図形、イラスト、文字の配列などを使用する謎(なぞ)解きである。世界的に広く流行しているものに、交差することばを考えるクロスワード・パズル、空白の升目(ますめ)に文字を入れるボナンザグラム、ことばのなかの一つの文字を変えてほかの意味のことばにするアナグラムなどがある。また、以上のことばのパズルのほかに、数学パズルがある。
[倉茂貞助]
出典 日外アソシエーツ「事典 日本の大学ブランド商品」事典 日本の大学ブランド商品について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…しかしクイズにはっきりした定義はない。広い範囲で考えれば,ことばによるなぞ遊び,文字や絵による判じ物,知識や数理で解かせる出題,図形を使った出題,パズルなどすべてこのなかに入る。なかでも歴史的に古いものはなぞ遊びで,古代民族のなかにはなぞを出題して客をもてなす風習をもつ民族もあったという。…
…英語のパズルpuzzleに相当し,なぞ,考え物などと同一のものであるが,昔からなぞや考え物は文章あるいは言葉で問題を提供して,推理的な解答を求めるのに対し,判じ物,判じ絵は物質によって,仮託的な問題を提示するものを意味することが多い。例をあげると,松永貞徳の《歌林雑話》に,京都に新城ができた正月,御門のところに割れたハマグリ貝を九つならべてあった。…
※「パズル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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