ビワ(枇杷)(読み)ビワ(英語表記)Eriobotrya japonica; loquat

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ビワ(枇杷)
ビワ
Eriobotrya japonica; loquat

バラ科の常緑高木。中国原産で通常は果樹として栽培されるが,四国や九州などの暖地には自生もあるといわれる。太い枝を四方に開出して樹冠は円形になり,若枝には淡褐色綿毛が密生する。葉は大型の長楕円形ないし倒披針状長楕円形で,長さ 20~30cmもあり縁に低い波状の鋸歯がある。質は厚い革質で表面は濃緑色で光沢があり,裏面には淡褐色の軟毛を密生する。晩秋から初冬にかけて,枝先に円錐花序をなして白色で芳香のある花をつける。花弁,萼片とも5枚で,萼片と花柄は淡褐色の毛がおおう。果実は倒卵形のなし状果で,翌年の初夏に黄色に熟する。種子は大型で背面の丸い三面楕円体状で赤褐色,光沢がある。果実は生食または缶詰として食用にする。また,葉を乾燥して健胃剤,種子は杏仁水の製造に用いる。材は緻密で折れにくいので木刀や杖の材料にされる。ビワのおもな産地は千葉県と長崎県である。

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百科事典マイペディアの解説

ビワ(枇杷)【ビワ】

バラ科の常緑果樹。葉は堅くて厚く,長楕円形で裏面には褐色の毛を密生する。秋に新枝の先端に花穂をつけ,11月ごろから冬にかけて白い芳香のある花を開く。果実は黄橙色で球形,中に大きな種子がある。5〜7月に収穫。中国渡来とされてきたが,日本の南部には野生していたと推定されている。主要品種は〈茂木〉,〈田中〉など。果実を生食,缶詰用とするほか,堅い材を木刀,装飾用,葉を鎮咳去痰薬,入浴料などにする。

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世界大百科事典 第2版の解説

ビワ【ビワ(枇杷) loquat】

バラ科の常緑果樹(イラスト)。小高木で,枝は太く,柔毛を密生する。葉は互生し,革質で長楕円形から倒狭卵形。粗鋸歯がある。花は初冬に,枝端の褐色の綿毛をかぶった円錐花序に多数つき,白色。果実は5~6月に橙黄色に熟し,内に大きな種子を有する。中国の中・南部や日本の南西暖地に原産したと推定されているが,中国での栽培歴は古く,6世紀に著された《広志》には白肉種と黄肉種の存在が記されている。現在ではすぐれた品種は接木によって繁殖されるが,実生繁殖で増殖されることもあるため,品質は雑多である。

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