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フタル酸 フタルさんphthalic acid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フタル酸
フタルさん
phthalic acid

1,2-ベンゼンジカルボン酸のこと。化学式 C6H4(COOH)2 。ナフタリンまたは o -キシレンを酸化分解するとき生成する。無色単斜晶系柱状晶。封管中で急速に加熱すれば約 230℃で融解する。大気中で加熱すると融点以下の温度で脱水し,無水フタル酸となる。水,エーテルに微溶,エチルアルコールにやや溶ける。塩酸酸性の水溶液からジルコニウムイオンを定量的に沈殿するので,その定量分析用試薬となる。無水フタル酸,安息香酸,合成インジゴの原料である。イソフタル酸テレフタル酸はフタル酸の異性体である。

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百科事典マイペディアの解説

フタル酸【フタルさん】

ベンゼン環に2個のカルボキシル基−COOHがついた芳香族ジカルボン酸C8H6O4。無色の結晶。融点191℃(封管中)。水に難溶,アルコールに可溶

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世界大百科事典 第2版の解説

フタルさん【フタル酸 phthalic acid】

ベンゼン環に2個のカルボキシル基をもつ芳香族ジカルボン酸で,o‐,m‐,p‐の3種の異性体がある。通常フタル酸といえばo‐体をさし,m‐体はイソフタル酸isophthalic acid,p‐体はテレフタル酸terephthalic acidと呼ばれる。
[フタル酸]
 融点191℃(封管中)の無色の結晶で,融点付近で脱水されて無水フタル酸を生じる。クロロホルムに不溶,エーテルに微溶,エチルアルコールによく溶ける。

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大辞林 第三版の解説

フタルさん【フタル酸】

オルト位に二個のカルボキシル基をもつ芳香族カルボン酸。無色柱状結晶。化学式 C6H4(COOH)2 オルトキシレンやナフタレンを、五酸化二バナジウムを触媒として空気酸化して無水フタル酸とし、これを加水分解してつくられる。空気中で加熱すると二つのカルボキシル基から一分子の水がとれて無水フタル酸になる。ポリエステル樹脂や種々の染料・医薬品などの合成原料に用いる。 → テレフタル酸

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フタル酸
ふたるさん
phthalic acid

芳香族ジカルボン酸の一つ。o(オルト)-ベンゼンジカルボン酸ともいう。古くはナフタレンの誘導体と考えられ、ナフタリン酸とよばれたこともある。
 ナフタレンを硝酸または過マンガン酸塩で酸化すると得られる。工業的にはナフタレンまたはo-キシレンを酸化バナジウム系触媒により空気酸化して、無水フタル酸を合成している。融点近くの温度に加熱すると分解して無水フタル酸になるので、融点は加熱の速さにより異なる。無色の結晶。水、エーテルには溶けにくいがエタノール(エチルアルコール)には溶ける。フタル酸自体の用途は少ないが、誘導体である無水フタル酸は合成樹脂の原料、フタル酸ジオクチルは合成樹脂の可塑剤、フタル酸ジエチルは香料の溶剤など広い用途をもつ。[廣田 穰・末沢裕子]

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