ロシア連邦南東部,アムール州の州都。中国との国境,アムール川(黒竜江)とゼーヤ川との合流点に近く,シベリア鉄道本線のベロゴルスクからの鉄道支線の終点。人口21万7716(2004)。船舶修理,木材加工,農産物加工,農業機械修理,水産物加工などが盛んである。1856年に軍事哨所としてはじまり,58年に町となったが,十月革命前は商業中心であった。農業,教育,医学,工業の諸大学がある。
執筆者:山本 敏 1900年の中国の義和団運動に際し,ロシア軍がここで行った中国人大量虐殺事件で,日本にはよく知られた。中国東北地方における義和団の蜂起に対し,ロシア軍は同年7月15日午後2時黒竜江の渡河を禁止し,ロシア領内に在留した多数の中国人を捕らえ翌朝これを虐殺した。当時,同地に滞在した日本陸軍の石光真清はその数3000と書いているが,5000あるいは6000ともいい,なかには10万という説もある。これ以後ロシア軍は黒竜江を渡り,璦琿(あいぐん)(現,愛輝)など中国の町や村を焼き払い,住民を虐殺した。日本では日露開戦に向けて反露感情をあおるために〈アムール河の流血〉と喧伝され,〈西暦一千九百年 うらみは長きアムールや 露人の暴に清の民 罪なく逝けり数五千 いうなかれただ清人と 金色の民かれもまた ああうらみなり残虐の 蛮族いかで許すべき〉(青木得三作詞《征露歌》)などの歌も流行した。
執筆者:井口 和起
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ロシア連邦東部、アムール州の州都。アムール川河畔の、ゼヤ川との合流点にある河港都市。鉄道支線の終点。人口22万0900(1999)。機械製造(鉱山用、採金用、電気機械、造船)、製紙、家具、縫製、マッチ製造、農産物加工(酒造、乳製品、穀粉、精肉)などの工業がある。1856年にウスチ・ゼイスキー軍事哨所(しょうしょ)として建設され、58年に市となった。1900年の義和団事件に際し、当地でロシア軍による中国人虐殺事件が発生した。
[三上正利]
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