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ベール べーるveil

翻訳|veil

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ベール(布)
べーる
veil

装飾、保護、隠蔽(いんぺい)の目的で、頭や顔に着装する薄い布。透明なものも不透明なものもあり、素材もさまざまである。非常に古くからある被(かぶ)り物で、紀元前1200年にはアッシリアの既婚婦人が法令によってかぶることを定められ、ギリシア時代には衣服のキトンやヒマティオンで頭を覆わないときは、女性はクレデムノンkredemnonやテリストリオンtheristrionという白麻などのベールをかぶった。中世に、キリスト教によるベール着装の義務づけが広く行き渡り、以来宗派により教会では今日でもベールをかぶっている。13、4世紀には頭布(とうふ)のウィンプルやあご覆いのバルベットと組み合わせて装飾的に用い、庶民も色物などを用いた。15世紀のエナンも、装飾的にベールを用いた帽子で、とがったクラウンの先端が長くなるほど、そこから垂れるベールも長くなった。教皇グレゴリウス10世(在位1271~76)は、ぜいたくな頭飾りをやめベールだけにするよう命令したといわれる。現在は結婚衣装や喪服に、また盛装の際に用いるが、それ以外は日常使うことが少なくなった。[浦上信子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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