ホランド(英語表記)Holland, Henry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ホランド
Holland, Henry

[生]1745.7.20. ブライトン
[没]1806.6.17. チェルシー
イギリスの建築家。建設業者の父から教育を受け,1771年造園家 L.ブラウンの弟子となり,建築部門の設計を担当。ブルックス・クラブ (1776~78) のあと,プリンス・オブ・ウェールズのロンドンの邸宅,カールトン・ハウスの拡張改修 (83~95) を手がけた。 86~87年ブライトンに海のパビリオンを設計 (のちに J.ナッシュによりロイヤル・パビリオンに改造) 。また投機的なタウンハウス建設に従事し,ハンス・タウンハウス群 (71,チェルシー) などを計画。フランス新古典主義に W.チェンバーズおよび R.アダム流の様式を加味した優雅で節度のある作風を得意とした。彼の事務所からは J.ソーンらを輩出。

ホランド
Holland, John Philip

[生]1840.2.29. クレア,リスカナー
[没]1914.8.12. ニュージャージー,ニューアーク
アイルランド生れのアメリカの発明家リマリックで初等教育を受けた。船乗りになりたかったが,視力不足のため学校教師となり,1873年アメリカに渡り,79年までニュージャージー州パターソンで教師をつとめた。 79年アイルランドのフェニアン団から資金を得て,小潜水艇を建造,潜水運転に成功。 95年会社を設立,最初の艇は失敗であったが,2番目の『ホランド』号はテストを通り,1900年アメリカ海軍に正式採用された。その後も,イギリス,日本,ロシアから注文を受けた。これは,海上では内燃機関で運航し,潜水中は電動機で操縦するもので,現代の潜水艦の原型といえる。

ホランド
Holland, Josiah Gilbert

[生]1819.7.24. マサチューセッツ,ベルチャータウン
[没]1881.10.12. ニューヨーク
アメリカのジャーナリスト。筆名 Timothy Titcomb。『スプリングフィールド・リパブリカン』紙の編集をしたあと,『スクリブナーズ・マンスリー』を創刊 (1870) ,死去するまで編集長をつとめた。感傷的で教訓的な小説や詩は当時好評であった。

ホランド
Holland, Philemon

[生]1552. エセックス,チェルムスフォード
[没]1637.2.9. コベントリ
イギリスの古典学者。ケンブリッジ大学を卒業後,オックスフォード大学で医学を学び,コベントリに定住。古典の翻訳で最も知られ,「翻訳の元締め」と呼ばれた。プリニウス (大) の『博物誌』 (1601) ,プルタルコスの『倫理論集』 (03) ,W.カムデンの風土記『ブリタニア』 (10) ,クセノフォンの『キュロスの教育』 (32) などの翻訳がある。

ホランド
Holland

アメリカ合衆国,ミシガン州西部,ミシガン湖の入江マカタワ湖に面する港湾都市グランドラピッズの南西 40kmに位置する。 1847年,オランダ人入植により発足,当初は製材,皮革加工業が盛んであった。現在では果樹養鶏などを主とする農業と各種の工業が行われている。毎年5月のチューリップ祭には,街路や公園がチューリップで飾られ,オランダの民族衣装でのパレード,木靴ダンスが催される。付近にホランド州立公園がある。人口3万 745 (1990) 。

ホランド
Holland, John Henry

[生]1929.2.2. インディアナ,フォートウェーン
[没]2015.8.9. ミシガン,アナーバー
アメリカ合衆国の計算機科学者。「複雑適応系」,つまり集団行動を可能にする適応性のある部品でできたシステムの研究分野を切り開いた理論学者。さらに遺伝的アルゴリズム(→進化的計算)と学習分類子システムを体系化した。1950年マサチューセッツ工科大学で物理学士号,ミシガン大学大学院で 1954年に数学の修士号,1959年に博士号を取得し,学問としての計算機科学の発展に貢献した。ホランドの数学的技術は経済,生物学,計算機科学などさまざまな分野の問題解決に役立った。遺伝的アルゴリズムはコンピュータプログラムに生物の進化をまねたり分析したりすることを可能にし,分類子システムは帰納学習を可能にした。特に独創的な著書『遺伝アルゴリズムの理論:自然・人工システムにおける適応』Adaptation in Natural and Artificial Systems(1975)では,複雑な社会や体の仕組みは抽象的なルールの産物ではなく,さまざまなエージェントと相互作用の結果であることを示した。

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世界大百科事典 第2版の解説

ホランド【Holland】

アメリカ合衆国ミシガン州西部の都市。人口2万6281(1980)。ブラック川の河口,マカタワ湖に臨む。1847年オランダ移民によって建設され,市名は本国名にちなむ。今日でもオランダ系住民が多く,オランダ博物館や,風車をもつ公園がある。農業地帯にあり,とくにチューリップ球根の生産で知られ,5月のチューリップ祭には訪れる観光客が多い。家具などの木工業,養鶏も盛ん。【矢ヶ崎 典隆】

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