ボイル=シャルルの法則(読み)ボイルシャルルのほうそく(英語表記)Boyle-Charles' law

改訂新版 世界大百科事典 「ボイル=シャルルの法則」の意味・わかりやすい解説

ボイル=シャルルの法則 (ボイルシャルルのほうそく)
Boyle-Charles' law

一定量の気体体積V圧力pに反比例し,絶対温度Tに比例するという法則。一定温度では気体の体積と圧力は反比例するというボイルの法則(ボイル=マリオットの法則ともいう)と,圧力一定のもとでは気体の体積は絶対温度に比例するというシャルルの法則(ゲイ・リュサックの法則ともいう)とを統合したもので,この法則によると,nmol)の気体に対して,pVnRT関係が成り立つ(R気体定数)。この法則は,常温,常圧の気体に対してはよく成立するが,低温,高圧の場合にはこの法則からのずれが大きくなる。このずれは気体分子間に働く相互作用のためである。気体分子間に相互作用の働かない理想気体では,ボイル=シャルルの法則が厳密に成り立つことが知られている。
状態方程式
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ボイル=シャルルの法則」の意味・わかりやすい解説

ボイル=シャルルの法則【ボイルシャルルのほうそく】

気体の体積Vは絶対温度Tに比例し,圧力pに反比例するという法則。気体のモル数をn,気体定数をRとすると,pV=nRTの関係が成り立つ。ボイルの法則シャルルの法則を組み合わせたもので,実際の気体では近似的にしか成立しない。この法則が成立するような仮想気体を理想気体という。→状態方程式
→関連項目ボイル

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボイル=シャルルの法則」の意味・わかりやすい解説

ボイル=シャルルの法則
ボイル=シャルルのほうそく
Boyle-Charles' law

一定量の気体の圧力 p ,体積 V ,絶対温度 T の間には関係式 pV/T=一定 が成り立つという法則。ボイル=ゲイリュサックの法則ともいい,ボイルの法則シャルルの法則とを結合した法則である。この法則が成り立つ気体を理想気体という。また,n モルの気体について pVnRT理想気体の状態方程式という。定数 R気体定数と呼ばれる普遍定数である。この式は実在の気体では近似的にしか成り立たないので,これを修正したファン・デル・ワールスの状態方程式,ビリアル式などが提案されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のボイル=シャルルの法則の言及

【状態方程式】より

…それから1世紀ほどたって,フランスの物理学者J.シャルルは,1787年,一定圧力の場合,気体の体積は絶対温度に比例すること(シャルルの法則,またはゲイ・リュサックの法則という)を見いだした。現在では,この両者の法則を合わせて,ボイル=シャルルの法則という。この法則によると,一定量の気体に対し,pVTの関係が成立する。…

※「ボイル=シャルルの法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android