マグネトロン(読み)まぐねとろん/じでんかん(英語表記)magnetron

  • magnetoron

翻訳|magnetron

知恵蔵の解説

マイクロ波用真空管一種で、磁電管ともいう。通常、円筒形陽極と、中心軸にある陰極とで構成され、電場と垂直に磁界をかけると、その大きさが臨界値を超えた付近で発振が起こる。一般に陽極は複数個に分割されており、その間は同調回路で結ばれている。発振効率が極めて高く、レーダー用の尖頭出力数メガ?(MW)のものから、電子レンジ用の数百Wのものまで、用途は広い。

(荒川泰彦 東京大学教授 / 桜井貴康 東京大学教授 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

円筒形の陽極の中心軸に陰極を置き、軸方向に強い磁界を加えてマイクロ波を発振させる二極真空管電子レンジレーダーなどに使用。磁電管。
[補説]昭和2年(1927)に日本で強力なマイクロ波を発生させる分割陽極型マグネトロンが初めて開発されたが、その後は欧米改良が進められ、軍用レーダー・電子レンジなどとして実用化された。

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百科事典マイペディアの解説

磁電管とも。1921年米国のA.W.ハルが発明。マイクロ波発振用真空管の一種。同心円筒の陽極と陰極からなる二極管で,中心軸に平行に磁界を加えると,電子は陽極に直進せずに陰極の周囲をらせんを描きながら回る。陽極は多分割されてその間隙が共振回路となっており,この回転する電子流と作用して間隙間に高周波電圧を生じる。出力が大きく,レーダーや電子レンジ等に用いられる。
→関連項目電子管マイクロ波

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世界大百科事典 第2版の解説

磁電管ともいう。1921年アメリカのハルA.W.Hull(1880‐1966)が発明,その後岡部金次郎により発展させられた。極超短波(UHF以上)を発振する電子管の一種。円筒二極真空管の軸方向に磁界をかけると,電子の運動方向は曲げられ,ある限界値以上では陽極に到達せず,ループを描いて陰極のまわりを周回し,電子の密度の濃い層(電子雲)を作る(図a)。陽極を偶数個(ふつう8~16個)に分割し,その外側に円または扇形を設け,分割間隙の容量と孔のインダクタンスからなる共振器を構成する。

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大辞林 第三版の解説

マイクロ波用の真空管。円筒形陽極と、その中心軸にある陰極をもち、電場に垂直な磁場をかけて発振させる。レーダー・電子レンジなどに用いられる。磁電管。

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化学辞典 第2版の解説

GHz 帯の超高周波発振用の電子管.発振原理を図に示す.平行な陽極と陰極との間に一様な電場Eが与えられ,そのうえ電場に直角に磁場Bが加えられているとする.陰極のP点から発した電子は電場Eによって陽極に引かれるが,磁場Bのため速度に比例した力を受け,図のように円弧を描いて移動する.この際,磁場Bが小さければ電子は l1 のように移動して陽極に達するが,Bが大きくなると l2 にように陽極に達しないで,円弧を描いて横に移動していく.その限界磁場は

B
であり,mは電子の質量,eはその電荷である.このとき,電子は ωc(サイクロトロン角周波数)で回転し,vc の速度で横に移動する.電子のサイクロトロン運動によって電極には電圧が起されるので,この電圧と外部共振回路との間で発振が生じる(A型振動).また,この電子の運動は,分割された陽極間に電圧を誘起して外部共振回路で発振する(B型振動).この原理で,それぞれA型とB型のマグネトロンがつくられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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