翻訳|wrapping
ラップと呼ばれる工具の表面に微細粒径の砥粒(とりゆう)を加工液とともに分散させ,これに加工物を押しつけながら相対滑り運動を与えて,高精度な平面や曲面の加工を行う遊離砥粒加工法の一種。宝石などをみがくため古くから用いられていた手法で,今日でも最高度の精度が要求される加工に利用され,0.1μm以下のオーダーの表面粗さや形状精度を達成することができる。ラップは砥粒を保持すると同時に,自分自身の正確な形状を加工物に転写するという役割を担っている。前者の役割に対しては,砥粒が表面に埋め込まれやすいように適度に軟らかいことが必要であり,後者の役割に対しては硬くて摩耗しにくいことが必要である。このような性質をあわせもつ材料として鋳鉄がよく用いられる。鋳鉄の中の軟らかい黒鉛が砥粒を保持し,硬いセメンタイトが形状維持に役だっている。ラップ工程の初期段階では,砥粒と粘性の低い加工液を多量に供給しながら比較的低圧(数十kPa程度)で加工を行う。このとき砥粒は,ラップと加工物の間で転動して微小な切削を行う。続いて仕上工程では遊離砥粒を除去し,圧力をやや大きくして微量の加工液を供給しながら,ラップに埋め込まれた砥粒の微小切削と塑性流動作用を利用して加工を行う。このようなラッピングを行うための加工機械をラップ盤lapping machineという。ラップの摩耗が一様となり,加工物のすべての面が同じような加工運動を受けるように,ラップと加工物に相対運動が与えられる。
執筆者:稲崎 一郎
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…高速で回転するといしを用い,これに機械的にある一定の切込みを与えて行われるほか,といしに圧力を加えて研削を行う方法としてホーニングや超仕上げがあり,また砥粒のついたベルトにより加工するベルト研削加工もある。 遊離砥粒を用いて行う加工には,工具と加工物との間に砥粒あるいは砥粒と油などを混合したものを入れて,加工物を押し付けながら相対運動を行わせ,砥粒によりきわめて微小の切りくずを削りつつ加工を行うラッピング,砥粒を周囲に接着したホイール状の工具を高速回転させ,これに工作物を押し付けて加工するバフ仕上げ,バレルと称する容器内に砥材と工作物と工作液を入れて,回転または振動させて表面の仕上げを行うバレル加工などがある。なお切りくずを出す加工ではないが,滑らかな表面をもつ工具を加工物の表面に押し付けながら移動させ,加工物表面に塑性変形と加工硬化を生じさせながら滑らかな仕上面を得るバニシング加工も機械加工の中に含めることが多い。…
…研磨材によって金属,ガラス,プラスチック,セラミックス,石材,ゴムなどの工作物表面をごく微少量ずつ削ったり,すり磨いたりして,所定の寸法,形状,品質に加工する表面仕上げ法の総称。研磨材を微粉状の遊離砥粒(とりゆう)として使用するものには,ラッピング,ポリシング,バフ仕上げ,バレル加工,噴射加工,超音波加工などが,また,固定砥粒として使用する加工法には,研磨材を表面に固着させた紙や布を用いる研磨布紙加工,研磨材をといしに加工して用いるホーニングや研削加工および超仕上げなどがあり,研削も研磨に含まれることになるが,狭義には,このうちとくに表面あらさが0.01μm以下の鏡面仕上げ(鏡面研磨)が行える(超精密)ラッピングや(超精密)ポリシングを研磨と呼ぶことが多い。これらの鏡面研磨は,試料と工具の間に砥粒と研磨液を入れてすり合わせる操作が用いられる。…
…このような転位を行うことによって歯の折損に対して強い歯車を作れる(正転位による)のみならず,軸間距離をある範囲内で自由にとることができるなどの利点が得られる。
[歯面の表面仕上げ]
精度の高い歯車を得るための歯の表面を仕上げる方法としてシェービング仕上げ,ラッピング仕上げ,研削仕上げなどが行われる。シェービング仕上げは焼入れ前の軟らかい歯面に対して行われるもので,歯面に多数の細い溝をもつ歯車またはラックを工具とし(これをシェービングカッターという),その歯を被工作物(歯車)の歯溝に入れ,ねじ歯車のようなかみ合い運動を行わせて歯面を仕上げる。…
※「ラッピング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...
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