リチェルカーレ(英語表記)ricercare

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

リチェルカーレ
ricercare

音楽用語。 16~17世紀のフーガ様式の器楽曲によく用いられた名称。声楽曲のモテトと同様に,次々に主題を模倣風に展開するもので,最初期のものには M.カバッツォーニのオルガン曲 (1523) があるが,その後もガブリエリフレスコバルディらによって作られた。

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百科事典マイペディアの解説

リチェルカーレ

16−18世紀の西洋音楽における独立した器楽曲の一形式。イタリア語で〈捜索する〉の意。古い時代はリュートのような楽器で調弦(調律)をためしながらひくことから始まったといわれる。その後,合奏曲やオルガン曲では対位法的な模倣を含む楽曲にこの名称が用いられ,ベネチア学派やフレスコバルディにより発展。やがてドイツに移入され,フーガの先駆となった。J.S.バッハの《音楽の捧げもの》の6声のリチェルカーレはとりわけ有名。また,エチュード練習曲)の性格の器楽曲にもこの名称を使うことがある。

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世界大百科事典 第2版の解説

リチェルカーレ【ricercare[イタリア]】

16世紀から18世紀における器楽曲の一形式。フーガの前駆的な形式の一つで,厳格な対位法的な書法を特徴とする。16世紀の中ごろからモテットの手法を器楽に取り入れる形で発展し,やがて,G.ガブリエリやA.ガブリエリらのベネチア楽派の手で器楽固有の形式として整備されていった。この形式をとくに鍵盤楽器の主要形式へと高めたのはフレスコバルディであり,主題の拡大や縮小,また一つの声部が主題を奏し終わらないうちに他の声部がたたみ込むよう重なっていくストレットを伴ういっそう高度な技法を開拓した。

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大辞林 第三版の解説

リチェルカーレ【ricercare】

一六~一七世紀の器楽の曲種。ラプソディー風の自由な形式の練習曲のタイプと、高度な模倣対位法を器楽に適用したものとに大別できる。後者はフーガへと発展した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

リチェルカーレ
りちぇるかーれ
ricercareイタリア語

16~17世紀のさまざまな型の器楽曲。「探索する」という意味のイタリア語動詞に由来し、この呼称で指示されるものも一律に規定しがたいが、もっとも重要なものはフーガの先行形態をなす模倣的器楽形式である。16世紀中葉に書かれた初期のリチェルカーレは、ルネサンス期の声楽モテットを器楽に移した様式を示し、多くの場合合奏用であった。しかし鍵盤(けんばん)楽器用の曲では声楽様式からの脱皮がくふうされ、16世紀後半のアンドレア・ガブリエリの作品で複数の主題をもつ模倣的リチェルカーレの定型が確立した。17世紀のフレスコバルディは単一主題に基づく様式を確立し、各部分を変奏で有機的に関連づけた。この単主題リチェルカーレは、その後技法的発展を示しつつしだいにフーガへ移行した。[寺本まり子]

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