ルテチウム(英語表記)lutetium

翻訳|lutetium

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

元素記号 Lu ,原子番号 71,原子量 174.967。周期表3族,希土類元素ランタノイド元素に属する。天然にはイットリウムを含む希土類鉱物中に他の希土類元素とともに産出するが,量は少い。地殻における存在量 0.5ppm,海水中の存在量 0.0005μg/l 。 1907年フランスの化学者 G.ユニバンがイットリウムの酸化物中に発見し,パリの古名ルテチアにちなみルテチウムと命名した。単体は金属で,六方晶系結晶,比重 9.74,融点約 1700℃。化学的性質は他の希土類元素と類似している。酸化数3。特定の用途は見出されていない。

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百科事典マイペディアの解説

元素記号はLu。原子番号71,原子量174.9668。融点約1700℃。希土類元素の一つ。1907年フランスのG.ユルバンらが発見。化学的性質はイットリウムによく似る。
→関連項目レアアース

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世界大百科事典 第2版の解説

周期表元素記号=Lu 原子番号=71原子量=174.967地殻中の存在度=0.50ppm(58位)安定核種存在比 175Lu=97.40%,176Lu=2.60%融点=1652℃ 沸点=3327℃比重=9.872電子配置=[Xe]4f145d16s2 おもな酸化数=III周期表第IIIA族の希土類元素に属するランタノイドの一つ。1907年フランスのG.ユルバンは単一と思われていたイッテルビウムから新元素を発見し,パリのラテン古名Lutetiaにちなんでルテチウムと命名したが,ほとんど同じころオーストリアのC.F.A.vonウェルスバハも同じ新元素を発見し,カシオペイウムcassiopeiumと命名した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

周期表第3族に属し、希土類元素の一つ。1907年フランスのユルバンGeorges Urbain(1872―1938)とオーストリアのウェルスバハによって、それぞれ独立に発見された。ユルバンはルテチウム、ウェルスバハはカシオペイウムと命名したがのちに統一された。パリの古名Lutetiaに由来する。希土類元素中希産のものの一つ。イットリウムを含む鉱物中に存在する。無水塩化物をアルカリ金属で還元して金属を得る。銀白色の金属。空気中に置くと室温で表面が酸化され、高温で酸化物Lu2O3となる。冷水とは徐々に、熱水や酸には水素を発して速やかに溶けて酸化数Ⅲの塩をつくる。化合物の多くは無色。

[守永健一・中原勝儼]


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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (Lutetium) 第七一番元素。元素記号 Lu 原子量一七四・九六七。イットリウムを含む鉱物中に存在する希土類元素の一つ。存在量はきわめて少ない。

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化学辞典 第2版の解説

Lu.原子番号71の元素.電子配置[Kr]4f 145d16s2の周期表3族ランタノイド元素.希土類元素イットリウム族の一つ.原子量174.967(1).天然に質量数175(97.41(2)%)と176(2.59(2)%)の同位体が存在するが,176Luは半減期3.76×1010 y の β 崩壊核種.このほか,150から184の放射性核種が知られている.希土類分離の難しさから,1843年のC.G. Mosanderの鉱石イットリア中のイッテルビウムが,次々に新しい元素に分割され,最終的に1907年,C.F.Auer von Welsbach(ウェルスバッハ)とG. Urbain(ユルバン)が独立に,新元素として分離した.発表が早かったユルバンがパリのラテン語名Lutetiaから命名した.当初はluteciumであったが,1949年,IUPACがlutetiumと決定した.
地殻中の存在度0.3 ppm.希土類中で人工元素Pmを除いて存在度がもっとも低い.銀白色の金属.六方晶のα,体心立方のβの2変態がある.融点1663 ℃,沸点3395 ℃.密度9.84 g cm-3(25 ℃).第一イオン化エネルギー5.426 eV.酸化数3.つねに Luで化合物をつくる.酸化物,フッ化物は無色で水に不溶,塩化物,臭化物,硫酸塩,硝酸塩も無色で,水に可溶.塩の溶液も無色.Lu3+ の電子配置は4f殻充満の4f 14で反磁性である.石油クラッキング用触媒,アルキル化,重合触媒などに使えるが,希少金属で高価であるため,ほとんど用いられない.[CAS 7439-94-3]

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