一朱金(読み)イッシュキン

デジタル大辞泉 「一朱金」の意味・読み・例文・類語

いっしゅ‐きん【一朱金】

江戸時代金貨の一。形は正方形。1両の16分の1にあたる。文政一朱金。→3

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精選版 日本国語大辞典 「一朱金」の意味・読み・例文・類語

いっしゅ‐きん【一朱金】

  1. 一朱金〈文政〉
    一朱金〈文政〉
  2. 〘 名詞 〙 文政七年(一八二四)から発行した一両の十六分の一、一分四分の一に相当する正方形の金貨。品位きわめて悪く、形も小さく、取り扱いが不便で、俗に「小二朱」とも呼んだ。文政一朱金。
    1. [初出の実例]「一朱金咄しで医者はにがいかほ」(出典:雑俳・柳多留‐八〇(1824))

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改訂新版 世界大百科事典 「一朱金」の意味・わかりやすい解説

一朱金 (いっしゅきん)

江戸時代の金貨の一種形状一分金を中央から横に切断したような正方形で,日本の金貨のなかでも珍しい形である。一朱金16枚で小判1両に換えられた。文政7年(1824)7月に創鋳されたが,品位は劣悪で,小型で薄く紛失しやすかったので,世評はすこぶる悪く,天保11年(1840)10月には通用停止となり,それ以後一朱金はつくられなかった。一朱金の表面の色揚げがとれ,銀貨のような白みが感じられたので,俗に〈小二朱(こにしゆ)〉と呼ばれ,また〈銀台の似せ小判〉ともいわれた。天文期(1532-55)に武田氏甲斐国で創鋳した甲州金のなかにも,一朱金がみられた。甲州一朱金は円形であった。江戸時代に鋳造された甲州金にも一朱金があり,甲安金・甲中安金・甲重金・甲定金のなかに,一朱金が含まれていた。
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百科事典マイペディア 「一朱金」の意味・わかりやすい解説

一朱金【いっしゅきん】

江戸時代の四角形の金貨。小判1両の16分の1に当たる。1824年(文政7年)に財政収入の増加目的にして発行。品位が劣っていたので,一般には悪評で長くは流通せず,1840年(天保11年)に通用停止。江戸幕府信用を落とす一因となった。なお天文期(1532年―1555年)に甲斐武田氏が鋳造した甲州金のうちにも一朱金(円形)があった。→一分金

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一朱金」の意味・わかりやすい解説

一朱金
いっしゅきん

江戸時代の金貨の一つで,文政一朱金の略称。文政7 (1824) 年鋳造,天保 11 (40) 年まで通用。1両の 16分の1,金品位 12%で不評。

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