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九品 くほん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

九品
くほん

仏教用語。9種の等級の意味。仏教で用い,上中下のそれぞれをさらに上中下に分けて9種類としたもの。すなわち,上上,上中,上下,中上,中中,中下,下上,下中,下下の9種類である。この分類法で特に有名なものは,浄土教にいう九品往生 (『観無量寿経』に説かれる) があるが,阿弥陀仏極楽浄土に往生する者の行為や性質によって,浄土で受ける果報も9種に分けられるとする説で,その9種の違いにより,阿弥陀仏の姿,往生する者を浄土に運ぶ蓮台などに9種の差異があるという。

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デジタル大辞泉の解説

く‐ほん【九品】

仏語。
㋐浄土教で、極楽往生の際の九つの階位。上中下の三品(さんぼん)を、さらにそれぞれ上中下に分けたもの。上品上生(じょうぼんじょうしょう)・上品中生・上品下生(げしょう)・中品上生・中品中生・中品下生・下品(げぼん)上生・下品中生・下品下生の九つ。ここのしな。
㋑「九品浄土」「九品往生」「九品蓮台」などの略。
物事について設けた九つの等級。
「公任卿、和歌の―をえらび給ひしにも」〈戴恩記

ここの‐しな【九品】

《「九品(くほん)」を訓読みにした語》「くほん(九品)」に同じ。
「―の上に昇り給ひぬる嬉しさも覚えず」〈浜松・四〉

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百科事典マイペディアの解説

九品【くほん】

仏教における九等級の品位。上上品・上中品・上下品・中上品以下,下下品までの9段階をいう。《観無量寿経》などに基づき,浄土へ往生する人のあり方を九品に分けたりする。
→関連項目阿弥陀堂

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大辞林 第三版の解説

くほん【九品】

〘仏〙
浄土へ往生する者が、生前の性質やおこないによって受ける九つの段階。上品じようぼん・中品ちゆうぼん・下品げぼんの三品をさらに上中下で三分し上上品(上品上生)から下下品(下品下生)にいたる九つに分ける。三三之品。ここのしな。
九種に分けた等級。上中下の三種を、それぞれさらに上中下に分けたもの。ここのしな。 「和歌-」
「九品浄土」「九品蓮台れんだい」の略。

ここのしな【九品】

〔「九品くほん」の訓読み〕
九品くほん 」に同じ。 「さてこそ-の上にも、さはりなく生まれ給はめ/源氏 夕顔

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

九品
くほん

仏教用語。極楽浄土(ごくらくじょうど)に生まれるのに、この世で生活した仕方によって9種類の生まれ方があることをいう。『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』に説かれ、非の打ちどころがない善人は臨終のとき、仏が迎えにきて即座に極楽に往生(おうじょう)できるのを上品上生(じょうぼんじょうしょう)という。以下、上品中(ちゅう)生、上品下(げ)生、中品上生、中品中生、中品下生、下品上生、下品中生と続き、最後の下品下生は、極悪非道の行為を繰り返した者が、臨終のとき、念仏を唱えたことによって往生できることをいう。この思想に従って、阿弥陀仏(あみだぶつ)にも九つの印相(いんぞう)(手に結ぶ印の形)があるという考えが一般化し、鎌倉中期以降、とくに九品の阿弥陀仏の造像が行われた。また、仏が迎えにくるとき、それに座る蓮台(れんだい)も違うと考え、九品の蓮台があるとさえいうようになった。[石上善應]

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