五剣山(読み)ゴケンザン

デジタル大辞泉 「五剣山」の意味・読み・例文・類語

ごけん‐ざん【五剣山】

香川県北部の山。標高375メートル。屋島の東にある半島中央に位置し、五つの岩峰が屹立きつりつしていたのでいう。四国霊場の第85番の八栗寺やくりじがある。八栗山

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改訂新版 世界大百科事典 「五剣山」の意味・わかりやすい解説

五剣山 (ごけんざん)

八栗(やくり)山ともいう。香川県北東部庵治あじ)半島の中心,高松市の旧庵治町と旧牟礼町の境界にある山。標高366m。上部にのる凝灰角レキ岩の差別浸食の結果,5本の剣が天にそびえるような奇岩をなし,うち1本は崩壊したという。八合目付近に四国八十八ヵ所85番札所八栗寺があって参詣客が多く,ケーブルカーが第2次世界大戦前から設置されている。中腹には石切の丁場が70もあり,庵治石産地で,西麓には加工業者が数百軒並び,灯籠墓石が展示されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五剣山」の意味・わかりやすい解説

五剣山
ごけんざん

香川県高松市北東部にある山。別称八栗山。標高 375m。名称は頂上が剣のように鋭い峰に分かれていることに由来。花崗閃緑岩など花崗岩類上に安山岩質凝灰岩,輝石安山岩質集塊岩があり,山頂部は集塊岩の選択浸食のため奇岩怪石の景勝地となっている。暖帯性林に覆われ,フウトウカズラ,ハナノキその他シダ類が豊富。南側中腹に四国八十八ヵ所第 85番札所の八栗寺があり,山門付近までケーブルカーが通じる。山頂付近一帯は瀬戸内海国立公園に属する。東部の源氏峰は銅鐸の出土地。西方の女体山は黒雲母細粒花崗岩の庵治石の採掘のため山容が変わっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「五剣山」の意味・わかりやすい解説

五剣山
ごけんざん

香川県中北部、高松市北東部の牟礼(むれ)町牟礼と庵治(あじ)町の境にある山。屋島の東の半島中央に位置する。標高は375メートル。頂上に五つの岩峰が屹立(きつりつ)しているのでこの名がある。また山腹に四国八十八か所第85番札所八栗寺(やくりじ)があるので八栗山ともよばれる。1698年(元禄11)の豪雨と1706年(宝永3)の地震で二つの峰が崩れ、現在姿はやや不完全である。花崗(かこう)岩の上部に凝灰質集塊岩がのった地質が差別侵食を受けてこの特異な形をつくった。五剣山から北へ連なる山地には良質の花崗岩の丁場がある。庵治石といい、墓石や石灯籠(いしどうろう)に加工される。山麓(さんろく)部には石を加工する業者が軒を連ねる。八栗寺へはケーブルカーもある。

[稲田道彦]


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