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体用 たいようti-yong

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

体用
たいよう
ti-yong

中国の六朝以後,仏教において頻繁に用いられた概念であるが (したがって,元来は「たいゆう」と読む) ,宋以後には,いわゆる宋学明学儒者にも多用された。基本的な意味は,本体作用 (または現象,属性) で,両者は表裏一体とされる。宋学では,「」を体,「」を用として,その理気説の重要な概念としているが,特に有名な命題としては,程頤 (ていい) の「体用一源」,朱子の「全体大用」がある。

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デジタル大辞泉の解説

たい‐ゆう【体用】

本体とその作用。たいよう。
連歌・俳諧で、山・水辺・居所に関する語を分類して、その本体となる「峰」「海」などを体、その作用・属性を表す「滝」「浪」などを用としたこと。
能楽で、基本的な芸と、そこから生じる風趣

たい‐よう【体用】

文法で、体言用言
たいゆう(体用)

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世界大百科事典 第2版の解説

たいよう【体用 tǐ yòng】

中国の哲学・思想・レトリック運用のための概念範疇。その基本形式は〈の体,乙は丙の用〉または〈甲は乙の体,乙は甲の用〉つまり〈甲は体なり,乙は用なり〉という風に体用が対挙されることである。因果概念がたとえば風と波の関係をいうのに対して,体用は水と波の関係を示す。しばしば実体とその作用(または現象)と解されるが,もっとゆるやかに〈体とは根本的なもの,第一次的なもの,用とは従属的なもの,二次的なもの〉としておく方がよい。

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大辞林 第三版の解説

たいゆう【体用】

本体と、そのはたらき。たいよう。
連歌・俳諧で、山類・水辺・居所などの詞のうち、主体・本体となる詞(体)と、その作用・属性を表す詞(用)のこと。例えば、「海・浦」が体、「浪・氷」が用となる類。付合つけあいにおいて用体用・体用体を避けるなど重視された。
能楽で、基本的な芸とそこから生まれる趣。

たいよう【体用】

本体とその作用。たいゆう。 「空と風とは-にて、つまる所は四大なり/滑稽本・放屁論後編」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

体用
たいよう

中国哲学上の概念。本体と作用の略称。本質とその現象の意。現象の内奥にその根源者・本質をみようとする考え方はもと老荘思想にある。その考え方は、仏教が流入して「事」と「理」と表現され、とくに華厳(けごん)哲学において論議が深められた。体・用論が中国思想史上、主要な課題となったのは、宋(そう)代以後の近世哲学においてである。存在の本質を「本体」(たとえば性)といい、その発現を作用(たとえば情)という。これが「未発」「已発(いはつ)」の時間論と結合して、存在と時間の関係をめぐる論議が実践論の主要課題となった。朱子学と陽明学の体用論が代表的である。朱子学では実存者の背理可能性を考察して、本体と作用、未発と已発を分けて、まず未発の本体を涵養(かんよう)して已発の作用を制御することを説いた。陽明学では実存者の自力能力を確信して両者を分割不可能とみて渾一(こんいつ)論を説いた。この両論を軸にさまざまな体用論が提起されたが、これは中国哲学の貴重な遺産であり、後に与えた影響はきわめて大きい。田公平]
『荒木見悟著『仏教と儒教』(1963・平楽寺書店)』

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