元服曾我(読み)げんぷくそが

世界大百科事典 第2版の解説

げんぷくそが【元服曾我】

(1)幸若舞曲曲名曾我物に分類される。成立年時不詳。箱根権現稚児であった箱王は,源頼朝に随行した親の敵,工藤祐経(すけつね)の面体をひそかに知ろうとするが,かえって祐経に気づかれ,重代の小刀を与えられる。その後,兄の曾我十郎祐成は,弟箱王の剃髪の前に会っておこうと箱根に登る。そのとき,兄弟は敵討への固い決意を確かめ合い,共に箱根を下り,北条時政を烏帽子(えぼし)親として元服する。幸若舞曲の他の曾我物同様,仮名本《曾我物語》に近い内容であるが,兄弟対面の場面などに,真名本の描写に近いと思われるところもある。

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精選版 日本国語大辞典の解説

げんぶくそが【元服曾我】

謡曲。四番目物。喜多流宮増作という。曾我十郎祐成は、親の敵を討つために箱根の寺の別当に預けてある弟箱王の五郎時致を連れ出して、曾我に帰る途中自分の手で弟を元服させる。そこへ別当が来て祝いに重代の太刀を五郎に与え、兄十郎はこれを祝って男舞を舞う。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典の解説

元服曾我
(通称)
げんぷくそが

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
初冠曾我皐月富士根
初演
文政8.5(江戸・中村座)

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世界大百科事典内の元服曾我の言及

【宮増】より

…観世座系)に10曲,同じく《自家伝抄》(1516年奥書。金春座系)に28曲の能の作者として記載するが,両書で曲名が共通するのは《元服曾我》《調伏曾我》の2曲のみで,両説の信憑(しんぴよう)性には疑問が多い。とくに《自家伝抄》の作者説はほとんど信ずるにたりないものであり,《能本作者注文》も宮増に関する記事は必ずしも万全ではないであろうから,いずれにせよこれらに基づき宮増の作風を論ずるのは慎重を要する。…

※「元服曾我」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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