光格子時計(読み)ヒカリコウシドケイ

デジタル大辞泉 「光格子時計」の意味・読み・例文・類語

ひかりこうし‐どけい〔ひかりカウシ‐〕【光格子時計】

原子時計一種レーザー光格子状に配し、絶対零度に近い数マイクロケルビンという極低温に冷却した100万個程度の原子気体をその格子に閉じ込め、原子が発する電磁波振動数測定誤差を小さくすることで、極めて精度の高い計時を可能としたもの。原子気体はストロンチウムイッテルビウムが用いられる。平成23年(2011)、情報通信研究機構東京大学の共同研究により、誤差が6500万年に1秒という光格子時計の開発に成功した。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「光格子時計」の解説

光格子時計

現在の1秒はセシウム原子の振動数を利用する、誤差5千万年に1秒のセシウム原子時計で決めている。これに対し、香取秀俊かとり・ひでとし東京大教授が2001年に考案した光格子時計の誤差は160億年に1秒。レーザー光で卵パック状の微小空間を作り、冷やしたストロンチウム原子を一つずつ閉じ込めてレーザーを当て、多数の振動数を一度に測定している。宇宙が誕生した138億年前から時間を計っても誤差は1秒以下。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android