北魚沼郡
嘉永二年(一八四九)に行者空明の著した「八海山御伝記」(南雲茂昌氏蔵)によると、もともと国狭槌尊のとどまる山で、空海が
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
新潟県魚沼市,南魚沼市にまたがり,駒ヶ岳(2003m),中ノ岳(2085m)とともに越後三山と呼ばれる。標高1778m。山頂・南西側は新第三紀のレキ岩,北東側の水無川流域は古生代の変成岩から形成されている。山頂は北西端の薬師岳から南東端の五竜岳までの鋭い鋸歯状の岩峰からなるが,狭義の八海山は千本檜小屋から大日岳までの鎖場やはしごのつけられた八峰を指す。古くから,修験の霊場として信仰されてきた山であり,多くの岩峰上には神仏が祭られた。登山口にあたる山麓の大崎,大倉,城内にそれぞれ八海山神社の里宮があり,最高峰の大日岳に奥の院がある。三山縦走路は,奥只見電源開発事業の遂行に伴って整備された。越後三山只見国定公園に含まれ,スキー場もある。
執筆者:鈴木 郁夫
八海山信仰は古代以来の山麓部を中心とする山の神信仰と,近世中期に木曾御嶽山(おんたけさん)中興の一人として知られる普寛(ふかん)行者(1731-1801)および泰賢やその流れをくむ行者たちを中心とする信仰との二つに大別することができる。なかでも後者によって八海山信仰が世に広く知られるようになった。しかし,山麓・山中に数百基にのぼる霊神碑,先達・中座を中心とする〈御座(おざ)立て〉など木曾御嶽信仰と重複する要素が多く,むしろ後者の信仰は御嶽山信仰に包摂されるものといえる。前者の山麓部を中心とする山の神信仰は,登拝口にある里宮を中心に,作神として信仰されているが,なかでも山中に散在する多数の池を中心とする水分(みくまり)信仰が顕著である。また,旧暦の八朔(はつさく)の登拝(現,9月1日)と祭り,それに付随する竜灯(竜神が神仏にささげる火と説かれる怪火現象)伝承なども注目される。
執筆者:宮本 袈裟雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
新潟県南魚沼市(みなみうおぬまし)にある信仰の山。越後三山(えちごさんざん)の表口にあたる主峰の一つで、標高1778メートル。越後三山只見国定公園(えちごさんざんたがみこくていこうえん)地区に指定されている。山体は第三紀中新世の城内(じょうない)層群の安山岩類から構成され、頂上は壮年期侵食を受けて険峻(けんしゅん)な8峰に分かれているところからこの名が生まれた。古くから山伏の国峰修験道場(こくぶしゅげんどうじょう)として名高く、いまも西麓(せいろく)の表参道にあたる大崎口には八海登拝講中の社務所があり、夏季は全国の講中登山客が登る信仰の霊山になっている。登山口はJR上越線五日町駅からの大崎口が一般的で、城内口と水無(みずなし)川からの大倉(おおくら)口もある。裏口には小出(こいで)駅から大湯(おおゆ)温泉を経て枝折(しおり)峠からの三山縦走路があり、冬山スキーの名所になっている。
[山崎久雄]
…新潟県南東部にある駒ヶ岳(2003m),中ノ岳(2085m),八海(はつかい)山(1775m)の三山を指し,魚沼三山とも呼ばれる。山頂周辺に晩夏まで残る雪田,雪崩によって磨かれた急峻な岩壁,鋭い山稜,谷底の越年性雪渓など,新潟県内では谷川連峰とともに,アルペン的山容を誇っている。…
※「八海山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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