公安審査委員会(読み)コウアンシンサイインカイ

デジタル大辞泉 「公安審査委員会」の意味・読み・例文・類語

こうあんしんさ‐いいんかい〔‐ヰヰンクワイ〕【公安審査委員会】

法務省外局の一。公安調査庁長官からの請求を受けて、暴力主義的破壊活動を行った団体規制に関する審査及び決定を行う。昭和27年(1952)、破壊活動防止法施行に伴って設置

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「公安審査委員会」の意味・読み・例文・類語

こうあんしんさ‐いいんかい‥ヰヰンクヮイ【公安審査委員会】

  1. 〘 名詞 〙 法務省の外局の一つで、暴力主義的破壊活動を行なった団体の規制に関する審査、決定を行なう行政機関。昭和二七年(一九五二)破壊活動防止法に基づいて設置。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「公安審査委員会」の意味・わかりやすい解説

公安審査委員会 (こうあんしんさいいんかい)

1952年の破壊活動防止法公布に基づいて,破壊的団体の規制に関する審査および決定の事務をつかさどらせるために法務省の外局として設置された行政機関。いわゆる独立行政委員会系列に属するものである。公安審査委員会は,内閣総理大臣が,〈人格が高潔であって,団体の規制に関し公正な判断をすることができ,かつ,法律または社会に関する学識経験を有する者〉のうちから,両議院同意を得て任命する委員長および6人の委員よりなる。委員長および委員の任期は4年である(公安審査委員会設置法4,5,6条)。委員会のおもな職務としては,暴力主義的破壊活動を行った団体に対する活動制限の処分集団示威運動等の禁止,機関誌紙の印刷または頒布の禁止,破壊活動に関与した役職員等の当該団体のためにする行為の禁止。破壊活動防止法5条1項)および暴力主義的破壊活動を行った団体に対する解散の指定(7条)があるが,これらの処分は,委員会が自己のイニシアティブによって行うのではなく,公安調査庁長官の請求があった場合にのみ行うことができる(11条)。これは,処分の決定権と処分の請求権とを分離して別個の行政機関につかさどらせ,処分をなすに際して不告不理の原則(検察官が公訴を提起しないかぎり,裁判所はいかなる事件も審理しえないという刑事訴訟法上の原則)を認めることによって,権力濫用の弊害を防止することをねらいとするものである。したがって,委員会の処分は,公安調査庁長官の請求があった場合に,その請求の範囲内でなされ,しかも,裁判手続に類似した審決手続を経てのみ行われることとなる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「公安審査委員会」の意味・わかりやすい解説

公安審査委員会
こうあんしんさいいんかい

破壊活動防止法(1952年7月公布)が定める「暴力主義的破壊活動」を行う団体の活動制限または解散に関する審査および処分をなすために、法務省の外局として設置された独立行政委員会をさす。公安審査委員会は、「人格が高潔であって、団体の規制に関し公正な判断をすることができ、且つ、法律又は社会に関する学識経験を有する者」のうちから、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する委員長および6名の委員よりなり、その任期は4年である。なお公安審査委員会は、公安調査庁長官の請求があった場合にのみ、前述した処分をなすことができ、自己の職権によっては行うことができないとされる(破壊活動防止法11条)。

[市橋克哉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「公安審査委員会」の意味・わかりやすい解説

公安審査委員会
こうあんしんさいいんかい

公安審査委員会設置法 (昭和 27年法律 242号) に基づいて設置された法務省の外局。破壊活動防止法 (昭和 27年法律 240号) に基づき,団体の活動として暴力主義的破壊活動を行なった団体の規制に関する審査および決定の事務を行う。衆参両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する委員長および委員6名で構成される。公安調査庁長官の提出した処分請求書,証拠,調書および当該団体の提出した意見書について審査し,必要と認める場合に当該団体の集会の禁止,機関誌紙の頒布の禁止など,さらにそれらの処分が有効でないときには解散の指定を行う権限が認められている。 (→結社の自由 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「公安審査委員会」の意味・わかりやすい解説

公安審査委員会【こうあんしんさいいんかい】

破壊的団体の規制に関する審査・決定の事務を主管する法務省の外局で,破壊活動防止法の施行(1952年)に伴って設けられた。公安調査庁の長官の請求で活動する。衆参両院の同意を得て首相の任命する委員長と6人の委員で組織される。任期4年。
→関連項目法務省

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android