日本古代の律令制官職の一つ。太政官に所属する外記(げき)に対するもので,〈うちのしるすつかさ〉ともいう。大内記・中内記・少内記(定員各2)があり,中務省(なかつかさしよう)に所属し,詔書・勅書の勘造,天皇の動静についての記録,位記(いき)の作成などのことをつかさどる。その相当位は大内記が正六位上,中内記が正七位上,少内記が正八位上であったが,806年(大同1)に中内記を廃止して少内記の相当位を正七位上とし,新たに内記史生(定員4)を置いた。宣命(せんみよう)による詔書や漢文の詔書をつくるのがおもな任務であったから,文筆の才があり能書の者がえらばれて任命された。《官職秘抄》(平基親撰,鎌倉時代初期になった任官についての故実書)は,大内記は紀伝道の国家試験合格者をもって任じ,少内記は紀伝道・文章道の学生をもって任ずるとしている。
執筆者:早川 庄八
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和訓は「うちのしるすつかさ」。唐名は柱史、柱下、起居郎など。中務(なかつかさ)省所属の官職で、職員令(しきいんりょう)によると大内記2人、中内記2人、少内記2人で、詔勅の起草や御所の記録のことをつかさどる。太政官(だいじょうかん)所属の外記(げき)に対応。官位相当は大・中・少各正(しょう)六位上・正七位上・正八位上。806年(大同1)に中内記を廃し、少内記の官位相当を中内記と同じ正七位上とし、さらに内記史生(ししょう)4人を置いた(『類聚三代格(るいじゅうさんだいきゃく)』『日本後紀』)。『西宮記(さいぐうき)』などに内記局あるいは内記所の称がみえ、一司をなしていたことが知られる。『職原抄(しょくげんしょう)』(1340成立)によると、大内記1人、少内記2人で、儒門のなかより文筆に堪える者をこれに任ずるとある。
[柳雄太郎]
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…太政官に所属する外記(げき)に対するもので,〈うちのしるすつかさ〉ともいう。大内記・中内記・少内記(定員各2)があり,中務省(なかつかさしよう)に所属し,詔書・勅書の勘造,天皇の動静についての記録,位記(いき)の作成などのことをつかさどる。その相当位は大内記が正六位上,中内記が正七位上,少内記が正八位上であったが,806年(大同1)に中内記を廃止して少内記の相当位を正七位上とし,新たに内記史生(定員4)を置いた。…
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