デジタル大辞泉 「凌」の意味・読み・例文・類語 りょう【凌】[漢字項目] [人名用漢字] [音]リョウ(呉)(漢) [訓]しのぐ1 上に出る。こえる。しのぐ。「凌雲・凌駕りょうが」2 相手を踏みつけにする。「凌辱」[補説]「陵」と通用する。[難読]凌霄花のうぜんかずら 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「凌」の意味・読み・例文・類語 しのぎ【凌】 〘 名詞 〙 ( 動詞「しのぐ(凌)」の連用形の名詞化 )① 困難なことや苦しみなどをがまんして切りぬけること。また、その方法や手段。[初出の実例]「往生は一人のしのきなり。一人々々仏法を信じて後生をたすかる事なり」(出典:蓮如上人御一代記聞書(16C後)末)「別しておまへ様は御肥満でお出なさるから、お暑(あつさ)のお凌(シノギ)はお大体(たいてい)様ではござりますまい」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四)② 囲碁で、攻められた場合、最強の抵抗をするか、うまくかわすかして、主力の石を生かしたり、脱出したりすること。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「凌」の読み・字形・画数・意味 11画(異体字)凌人名用漢字 10画 [字音] リョウ[字訓] しのぐ・のりこえる[説文解字] [字形] 形声声符は(りよう)。〔説文〕十一上に水名とするが、水波に乗じてこれを超えることをいう。陸には陵といい、水にはという。[訓義]1. しのぐ、波にのる、波にのってこえる、のりこえる、わけゆく。2. と通じ、おそれる。[古辞書の訓]〔名義抄〕 シノグ・シヘタク・ヲカス・オソロシ・ワタル・シリゾク・コハシ・ミササキ・ノボル・ハシワタス[語系]・・陵lingは同声。陵にliong、陸liukの意があり、水の高まりに乗ることをという。*語彙は凌字条参照。[熟語]圧▶・夷▶・雲▶・烟▶・駕▶・虚▶・跨▶・忽▶・雑▶・辱▶・晨▶・制▶・折▶・替▶・遅▶・殄▶・波▶・犯▶・飛▶・侮▶・風▶・物▶・蔑▶・▶・乱▶・▶・▶[下接語]鑿・蹙・渉・凍・忍・氷 凌人名用漢字 10画(異体字)14画 [字音] リョウ[字訓] ひむろ・しのぐ[説文解字] [字形] 形声声符は(りよう)。〔説文〕十一下に正字をに作り、「(冰)出づるなり。に從ひ、(よう)聲」とし、〔詩、風、七月〕の「陰(りようあん)に(い)る」の句を引く。声とするも声が合わず、は盤(舟)中にものを納れて奉ずる形であるから、字は氷を献ずる形。はおそらく陵の省文で、そこに氷室を設けたのであろう。〔左伝、昭四年〕に蔵冰の法をしるし、「古(いにしへ)は日、北陸に在りて冰を西陸にす。~其の冰をするや、深山窮谷、固陰沍(ごかん)、是(ここ)に於てか之れを取る。~其の之れを出だすや、桃棘矢(きよくし)、以て其の災を除く」とあり、深山窮谷の氷を用いた。[訓義]1. ひむろ、ひむろのこおり、こおり、あつごおり。2. と通じ、しのぐ、こえる、おかす。3. (りよう)と通じ、おそれる、おののく。4. 陵と通じ、のる、のぼる、わたる。[古辞書の訓]〔名義抄〕凌 ハゲシ・コホリ 〔字鏡集〕凌 コホリ・ヒムロ・ハゲシ[語系]凌ling、涼liangは声近く、冷lengもまた同系の語。みな冷涼の意がある。[熟語]凌陰▶・凌夷▶・凌雲▶・凌越▶・凌煙▶・凌架▶・凌駕▶・凌壊▶・凌寒▶・凌虐▶・凌虚▶・凌兢▶・凌暁▶・凌空▶・凌江▶・凌忽▶・凌挫▶・凌雑▶・凌▶・凌室▶・凌霄▶・凌上▶・凌擾▶・凌辱▶・凌晨▶・凌侵▶・凌▶・凌折▶・凌僭▶・凌替▶・凌旦▶・凌遅▶・凌天▶・凌▶・凌濤▶・凌突▶・凌波▶・凌犯▶・凌▶・凌侮▶・凌風▶・凌蔑▶・凌慢▶・凌乱▶・凌▶・凌▶・凌轢▶・凌▶・凌冽▶[下接語]鑿凌・侵凌・践凌・打凌・冰凌 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報