北広島(読み)キタヒロシマ

デジタル大辞泉 「北広島」の意味・読み・例文・類語

きたひろしま【北広島】

北海道中央部の市。平成8年(1996)広島町が市制施行して改称。札幌市のベッドタウン化が進む。人口6.0万(2010)。

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精選版 日本国語大辞典 「北広島」の意味・読み・例文・類語

きたひろしま【北広島】

  1. 北海道南西部の地名。札幌市南東部に隣接する住宅都市。JR千歳線道央自動車道などが通じる。平成八年(一九九六)市制。

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改訂新版 世界大百科事典 「北広島」の意味・わかりやすい解説

北広島[町] (きたひろしま)

広島県北西部,山県(やまがた)郡の町。2005年2月大朝(おおあさ),芸北(げいほく),千代田(ちよだ),豊平(とよひら)の4町が合体して成立した。人口1万9969(2010)。

北広島町北東部の旧町。島根県に接する。山県郡所属。人口3782(2000)。可愛(えの)川の上流,中国山地山間部の大朝盆地にある。中心集落の大朝は近世に浜田城下(現,島根県浜田市)と広島城下を結ぶ石見浜田路の中継点として発達し,在郷市が開かれていた。高冷地のため畜産が盛んで,養鶏,乳牛,肉牛の飼育が行われる。中世に当地を支配した吉川氏の本拠小倉山城跡や吉川氏ゆかりの竜山八幡神社(本殿は重要文化財),枝ノ宮八幡神社などがあり,新庄には県指定無形民俗文化財のはやし田や南条踊が伝わる。浜田自動車道の大朝インターチェンジがあり,寒曳(かんびき)山は冬季スキー場となる。

北広島町西部の旧町。山県郡所属。人口2958(2000)。中国山地の稜線を境に島根県に接し,太田川支流の滝山川,大佐川,柴木川が南流して山間に小盆地が開ける。村域の大半を山林が占める農林業の町で,米作を中心にトマト,ホウレンソウの栽培を行い,高冷地を利用した酪農も盛んである。県境付近は西中国山地国定公園に指定され,聖湖,天狗石山などの景勝地がある。積雪量が多いためスキー場も多い。聖湖畔には人造湖建設のため湖底に水没した樽床集落の民具を展示する芸北民俗博物館があり,所蔵の民具,建物はともに重要無形民俗文化財に指定されている。国道186号線が通じる。

北広島町東部の旧町。山県郡所属。人口1万0721(2000)。可愛川上流域を占める農林業の町で,可愛川に志路原(しじわら)川,冠川が合流する付近に,旧石州街道沿いの市場町として発達した中心集落の八重,壬生(みぶ)がある。谷底平野に耕地があり,米作を中心にタバコ栽培,養鶏,酪農が行われる。古保利にある薬師堂には平安時代に作られた一木造の薬師如来座像など多数の仏像があり,いずれも国の重要文化財に指定されている。また民俗芸能の宝庫でもあり,花笠踊花田植は県の無形民俗文化財に指定されている。山県地方は古くから麻の産地で,芸北民俗博物館には国指定重要民俗資料の染織用具および草木染コレクションが収められている。国道261号線が通じ,中国自動車道から浜田自動車道が分岐する。

北広島町中南部の旧町。山県郡所属。人口4468(2000)。中国山地の標高700~800mの山々に囲まれ,南部を太田川支流の丁(ようろ)川,西宗川,北部を可愛川支流の志路原川が流れる。林業,米作,野菜栽培を中心とする農山村で,特にキュウリの栽培が盛んである。中心集落の戸谷(とだに)には1897-1907年山県郡の郡役所が置かれていた。中央部にある竜頭山(928m)は,山頂から瀬戸内海,三瓶山,大山を展望できる景勝地で,遊歩道が整備されている。海応寺には毛利元就の第二子で,戦国時代に活躍した武将吉川元春の墓がある。国道433号線が通じる。
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北広島[市] (きたひろしま)

北海道中央西部,札幌市の南東にある市。1996年9月札幌郡広島町が市制,改称。人口6万0353(2010)。JR千歳線,国道36号,274号線が札幌へ通じ,道央自動車道のインターチェンジがある。1884年ころ広島県から和田郁次郎ら25戸が一村形成をめざして集団入植した。水害や冷害などの自然災害を受けながら,西側の台地では酪農と畑作,東側の石狩低地では稲作を行う純農村として発達してきた。1968年の道営北広島団地の建設決定以後は急速に都市化が進み,大学,専門学校の設置,民間の住宅団地の造成も盛んに行われ,工業団地への企業進出も活発である。野菜栽培,酪農などが行われる。北部の一角は野幌(のつぽろ)森林公園に含まれ,野幌原始林(特天)があり,南接する恵庭市との境の島松に島松駅逓跡および石狩水田発祥の記念碑がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「北広島」の意味・わかりやすい解説

北広島(町)
きたひろしま

広島県北西部、山県(やまがた)郡にある町。2005年(平成17)山県郡芸北町(げいほくちょう)、大朝町(おおあさちょう)、千代田町(ちよだちょう)、豊平町(とよひらちょう)が合併して成立。町域の北部から北西部にかけて、島根県との県境付近に阿佐(あさ)山、冠(かんむり)山、大佐(おおさ)山、その南に続く臥竜(がりゅう)山など1000メート級の山々が連なり、西中国山地国定公園に含まれる。この南方に高原地帯が広がり、南東部は丘陵地が卓越。町の東半は日本海に注ぐ江(ごう)の川の、西半は瀬戸内海に注ぐ太田(おおた)川の源流域にあたる。中国自動車道と浜田自動車道が千代田ジャンクションで連絡、ほかに国道186号、191号、261号、433号も通じ、山陰山陽の中間地における交通の要衝となっている。北部は冬季の積雪量が多く、スキー場が集中する日本最南端の地域として知られ、広島都市圏を背景に観光、レクリエーションエリアとして発展。林業と酪農、高冷地野菜の栽培が盛んな北部に対し、南部地域は米作が中心。さらに広島市に接し、交通の利便性が高い立地条件を生かして、県営千代田工業・流通団地ほかの工業団地に進出する企業も増えている。神楽(芸石神楽)や「はやし田」といった郷土芸能をよく伝えている。「はやし田」は「囃し田」で、囃子(はやし)をともなう共同の田植え行事。新庄(しんじょう)地区の「はやし田」は、国の選択無形民俗文化財で、同時に安芸高田(あきたかた)市高宮町原田(たかみやちょうはらだ)地区の「はやし田」と合わせて「安芸のはやし田」の名称で国指定重要無形民俗文化財。川東(かわひがし)地区の「はやし田」用具は国指定重要有形民俗文化財。壬生(みぶ)地区の花田植(はなたうえ)も「はやし田」行事で国指定重要無形民俗文化財に指定されており、2011年にはユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。太鼓踊りの一種、本地(ほんじ)の花笠踊は国選択無形民俗文化財。なお吉川元春(きっかわもとはる)が隠居所とした館跡(国指定史跡)および庭園(国指定名勝)や旧万徳院(まんとくいん)庭園(国指定名勝)など、戦国時代に当地を拠点に芸北(げいほく)、石見地方に勢力を振るった吉川氏に関わる史跡も多く残る。臥竜山のふもとには、1957年(昭和32)樽床ダム(たるとこだむ)が竣工。ダム湖の聖(ひじり)湖畔には町立芸北民俗博物館があり、その傍らに水没した樽床集落から中門造り(曲がり屋)の民家が移築された。この建物は所蔵の民具とともに「樽床・八幡山村生活用具および民家(たるとこやわたさんそんせいかつようぐおよびみんか)」の名称で国の重要有形民俗文化財に指定。面積646.20平方キロメートル、人口1万7763(2020)。

[編集部]



北広島(市)
きたひろしま

北海道南部の市。札幌市の南東部に接する。1968年(昭和43)広島村が町制施行して広島町となり、石狩支庁(現、石狩振興局)管内に属していた。1996年(平成8)市制施行とともに名称変更して北広島市となった。JR千歳(ちとせ)線、国道36号、274号が通じ、道央自動車道の北広島インターチェンジがある。1884年(明治17)広島県からの移住者により開拓が始まった。米作と酪農の農村であったが、1970年代から道営北広島団地など西の里地区や北広島駅付近に住宅団地の建設が相次ぎ、札幌市のベッドタウン化が進んだ。千歳線や国道274号沿いの広島第1・第2工業団地など市内6か所の工業団地には機械修理、農機具、建設、食品、流通関係の企業が進出している。おもな農作物は米、ダイコン、ニンジン、ジャガイモ、キャベツ、カボチャなど。北部には特別天然記念物野幌原始林(のっぽろげんしりん)があり、北に接する江別市にまたがって道立自然公園の野幌森林公園となっている。国道36号沿いの旧島松駅逓所(きゅうしままつえきていしょ)は1873年に設置されたもので国指定史跡。なお、駅逓取扱人の中山久蔵(1828―1919)はこの地方で初めて水稲栽培に成功し、石狩水田の祖とされており、駅逓所に稲作発祥の地記念碑が立っている。面積119.05平方キロメートル、人口5万8171(2020)。

[奈良部理]


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百科事典マイペディア 「北広島」の意味・わかりやすい解説

北広島[町]【きたひろしま】

広島県北西部,山県郡の町。北を島根県に接する。2005年2月山県郡芸北町,大朝町,千代田町,豊平町が合併し町制。中国自動車道,浜田自動車道,国道186号線,191号線,261号線,433号線が通じる。646.20km2。1万9969人(2010)。

北広島[市]【きたひろしま】

北海道中央部の市。1996年9月1日札幌郡広島町が市制。札幌市の南東に接し,千歳線,道央自動車道が通じる。東部は石狩平野の一部で,広島県人が開拓。農業は野菜栽培や酪農を行うが,1970年代から北広島団地や工業団地の造成が進み,都市化が進む。札幌市,江別市との間に広がる広大な野幌原始林(特別天然記念物),クラーク記念碑がある。119.05km2。6万353人(2010)。

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