粘板岩と結晶片岩との中間的な性質の変成岩。粘板岩に比べて片理(へんり)が強く、縞(しま)状構造もみられるが、結晶片岩よりは細粒で、構成鉱物は肉眼やルーペでは認められない。普通は泥質堆積(たいせき)岩を原岩とする黒色のものをいい、それは石英、長石、白雲母(しろうんも)、緑泥石、方解石、石墨などからなる。一方、凝灰岩のように細粒の火砕岩から導かれた、緑色で片理の強い岩石も千枚岩に数えられることがあり、それは石英、長石、緑泥石、方解石、くさび石などからなる。いずれの場合にも変成作用による再結晶は不完全で、もとの岩石に含まれていた粗粒な鉱物や粗い構造は、残留鉱物や残留構造として認められる。日本各地の中・古生層の一部や、三郡(さんぐん)変成岩、三波川(さんばがわ)変成岩のかなりの部分は千枚岩である。なお、粘板岩、千枚岩、片岩、結晶片岩などの用語法は厳密なものではなく、人によりまた国によっても互いに少しずつ相違している。
[橋本光男]
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…例えば,変成岩の主成分鉱物が石英と白雲母であれば石英‐白雲母片岩と,また,変成岩の元来の化学組成上の性質を参考にして,例えば泥岩質の変成岩ならば泥質片岩pelitic schistというようによばれる。結晶の大きさが小さく片状組織もよく発達していない一群の変成岩は千枚岩とよばれ,さらに片状組織が弱いものは粘板岩(スレート)とよばれる。一方,変成度が高くなると,片状組織は弱いが結晶粒が大きく縞状組織をもつ片麻岩になる。…
※「千枚岩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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