但馬牛(読み)タジマウシ

デジタル大辞泉 「但馬牛」の意味・読み・例文・類語

たじま‐うし〔たぢま‐〕【但馬牛】

但馬地方で古くから役肉兼用として飼養されてきた和牛。現在では、兵庫県が管理する種雄牛のみを交配に用い、同県内で生まれ、育成された黒毛和牛をいう。筋線維が細かく、上質の霜降り肉を産し、神戸ビーフ松阪牛近江牛などの銘柄牛素牛もとうしとなっている。→たじまぎゅう

たじま‐ぎゅう〔たぢまギウ〕【但馬牛】

兵庫県内で繁殖肥育・出荷された但馬牛(たじまうし)の肉で一定基準に適合したもの。銘柄牛肉の一。但馬ビーフ
[補説]但馬牛たじまぎゅうの中でさらに一定の品質基準を満たすものが神戸ビーフとして認定される。

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精選版 日本国語大辞典 「但馬牛」の意味・読み・例文・類語

たじま‐うしたぢま‥【但馬牛】

  1. 〘 名詞 〙 牛の品種の一つ。但馬国(兵庫県北部)産。役肉兼用の代表的和牛。体毛は黒褐色で、黒毛和種に属する。現在は主にブラウンスイス種およびショートホーン種在来種に交配させてつくったもの。→神戸牛
    1. [初出の実例]「但馬牛。骨細く完かたく、皮薄く、腰背まろし、角蹄ことにかたく、鼻の穴広し、逸物おほし」(出典:国牛十図(1310))

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「但馬牛」の意味・わかりやすい解説

但馬牛
たじまうし

兵庫県の但馬地方に産する黒毛和種の肉用牛。在来和牛をブラウンスイス種などで改良したもので,黒毛の先がやや褐色を帯び,標準体高は雌 127cm,雄 139cm。肉質がよく,肥育によって肉繊維間に脂肪が沈殿して,いわゆる霜降り肉となる。 1918年に始る改良和種の登録制度によって但馬種として登録され,特に美方城崎の2郡が主産地として発展したが,44年黒毛和種という一品種に統一された。但馬牛は幼時 (肥育前のものを素牛呼称) ,紀泉地方に出て,大和を経て伊勢近江に回り肥育される慣行があり,それぞれの肥育地の名をとって神戸牛,近江牛,松阪牛と呼ばれ高級和牛肉として市販される。

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「但馬牛」の解説

但馬牛[畜産]
たじまうし

近畿地方、兵庫県の地域ブランド。
兵庫県主に但馬地方産の和牛。但馬牛は、優れた肉質と強力な遺伝力に特徴がある。その肉質は他府県牛との交配を避けながら改良を重ねられた優良な血統から生み出される。全国の和牛改良に広く活用され、神戸牛・松阪牛・近江牛など多くの高級牛肉のルーツとなっている。但馬牛には神戸肉流通推進協議会が兵庫県産(但馬牛)証明書を発行。2007(平成19)年9月、特許庁の地域団体商標に登録された。商標登録番号は第5079367号。地域団体商標の権利者は、たじま農業協同組合。

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デジタル大辞泉プラス 「但馬牛」の解説

但馬牛(たじまうし)

兵庫県、主に但馬地方産の黒毛和種の牛。同地方で古くから育成されてきた役肉兼用の和牛で、高級牛肉として知られる神戸牛や松阪牛のもと牛となる。地域団体商標。この肉は「但馬牛(たじまぎゅう)」「但馬ビーフ」と呼ばれる。

但馬牛(たじまぎゅう)

兵庫県で肥育される黒毛和種の牛、但馬牛(たじまうし)の牛肉で、一定の基準を満たしたもの。「但馬ビーフ」に同じ。地域団体商標。

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世界大百科事典(旧版)内の但馬牛の言及

【牛肉】より

…ロース部の肉の筋繊維の間の結合組織に脂肪が入りこんだものは霜降り(マーブリング)肉と呼ばれる。但馬(たじま)牛というのはこれらの銘柄牛の素(もと)牛の生産地としての地名により,神戸牛というのは過去においてこれらの銘柄牛の積出地としての地名による。乳牛(ホルスタイン種)の雄の子牛も肥育されて肉用となる。…

※「但馬牛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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