四万六千日(読み)しまんろくせんにち

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

四万六千日
しまんろくせんにち

東京都台東区浅草寺の本尊である観世音菩薩縁日のうち,特に多くの功徳が得られるとされる功徳日のことで,毎年 7月9,10日がその日にあたる。もとは「千日詣り」といい,本来はこの日に参詣すると 1000日参詣したのと同じ功徳が得られるとされていたが,享保年間(1716~36)頃から 4万6000日参詣したのと同じ功徳があるとされ,「四万六千日」と呼ぶようになった。縁日には浅草寺が雷よけの護符を配り,境内に「ほおずき市」が立つ。ではかつてはホオズキではなく茶筅(ちゃせん)が売られていたという。それが文化年間(1804~18)頃に雷よけとして赤トウモロコシが売られるようになり,明治初期にの愛宕神社の地蔵尊千日詣(四万六千日)で癪封じや子供の虫封じの効能があるとして売られていたホオズキの市が移ってきて,明治末期には赤トウモロコシを売る店はほとんど姿を消した。寺が配る雷よけの護符は,明治初期に赤トウモロコシが凶作となったときに代わりとして出されたのが始まりと伝えられる。

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百科事典マイペディアの解説

四万六千日【しまんろくせんにち】

十日詣(とおかまいり)とも。7月10日の観音菩薩の縁日。この日参詣(さんけい)すれば四万六千日参詣したと同じ功徳があるという。東京の浅草観音のものが有名で,千日詣ともいわれ,境内にはホオズキ市が立ち,観音堂では竹串(たけぐし)にはさんだ雷除(よけ)守りを出す。鎌倉の長谷観音,千葉県の笠森観音などでも四万六千日の行事が行われる。
→関連項目ほおずき(酸漿)市

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世界大百科事典 第2版の解説

しまんろくせんにち【四万六千日】

この日に参詣すると4万6000日参詣したのと同じ功徳があるという縁日のこと。この4万6000日という数字の由来は不明である。東京浅草(せんそう)寺の7月10日(現在は8,9日)の縁日がとくに著名。この称は江戸時代になって浅草寺で用いられたもので,享保20年(1735)版の《続江戸砂子》に見えている。それまでは浅草寺でも千日参りといわれていた。《閭里歳時記》(安永9年(1780)の序)には〈石原清水寺の観音四万六千日参といふ事あり〉とあって,だんだん広まっていった様子がうかがわれる。

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大辞林 第三版の解説

しまんろくせんにち【四万六千日】

寺の縁日の一。この日に参詣すると四万六千日間参詣したのと同じ功徳があるという。元禄頃に始まり、観音菩薩の功徳日とされるが、根拠は未詳。7月10日の東京浅草寺の場合、ホオズキ市などでにぎわう。 [季] 夏。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

四万六千日
しまんろくせんにち

社寺の縁日の一つで、この日に参詣(さんけい)すると4万6000日お参りしただけの功徳(くどく)があるとされている。元禄(げんろく)時代(1688~1704)ごろから始まったといわれる。有名なのは東京・浅草(あさくさ)の観音(かんのん)(浅草寺(せんそうじ))で7月10日を四万六千日と称し(現在は9日のほおずき市から)、この日の参詣者に赤トウモロコシを売り出した。これを買って帰ると雷除(よ)けになるとされた。のちには茶袋やホオズキを売るようになった。関西地方では古くから千日参りということが京都の清水寺(きよみずでら)(8月9~16日)や大阪の四天王寺(8月9、10日)などで行われていたが、今日では千日参りという言い方で四万六千日の縁日を行っている例もみられるようになった。[大藤時彦]

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世界大百科事典内の四万六千日の言及

【縁日】より

…それが縁日で,縁とは,〈結縁(けちえん)〉または〈有縁(うえん)〉あるいは〈因縁(いんねん)〉のことで,特定の仏菩薩が,特定の日に,特別に霊験あらたかになるように信者の祈願と結びつくのである。たとえば7月10日は観音の四万六千日(しまんろくせんにち)といって,この日に参詣すれば,その功徳は,4万6000回参詣したのと同じになると説かれたりしている。中国仏教では,10世紀初頭に,寺院で縁日がそれぞれ配当されていた事実があったらしいがくわしくはわからない。…

※「四万六千日」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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