四国電力[株](読み)しこくでんりょく

百科事典マイペディア 「四国電力[株]」の意味・わかりやすい解説

四国電力[株]【しこくでんりょく】

1951年電力再編成で四国配電,日本発送電(一部)の事業を継承して設立。9電力会社の一つで,四国全域が供給区域。水力火力,原子力の各発電所をもつが,原子力のウェイトが高い点に特徴がある。愛媛県伊方町の瀬戸内海に面した伊方原発(1〜3号機,1977年〜1999年運転開始,いずれも加圧水型軽水炉)が4割以上の電力をまかなう。福島第一原発事故後,すべての原発が停止している。2013年7月に施行された原子力規制委員会の新規制基準で示された過酷事故対策,地震・津波対策について,加圧水型軽水炉であることから,他の原子力発電所よりも基準クリアが比較的容易と見られ,再稼働申請が早く行われると予想されていた。2013年7月四国電力プルサーマル前提に伊方3号機の再稼働申請を原子力規制委員会に提出した。2014年3月,原子力規制委員会は初の優先審査対象として九州電力の川内原発1,2号機を選ぶと発表,伊方3号機は審査自体が遅れる可能性が出てきている。伊方は想定すべき最大級の地震の前提となる,中央構造線断層帯による地震などについて審査が終わっておらず,最大級の地震については審査が始まっていないと原子力規制委員会は報告した。2015年4月原子力規制委員会は伊方原発3号機(愛媛県)の再稼働に向けた審査の議論をほぼ終えたと発表。四国電力は原子力規制委員会が審査書案を作るのに必要な修正書類について,4月の早い時期に提出したいとした。しかし,反対運動は依然活発で,住民への今後の四国電力の対応が注目されている。他には,光通信による個人向けネット接続サービスやIP電話サービスなど,インターネット活用の新事業を推進してきた。本社高松。2012年資本金1455億円,2012年3月期売上高5307億円。売上構成(%)は,電気事業91,その他9。→電気事業

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