土寄(読み)つちよせ

精選版 日本国語大辞典 「土寄」の意味・読み・例文・類語

つち‐よせ【土寄】

  1. 〘 名詞 〙 作物の生育中、うね間を浅くすき返し、土を根元に寄せること。倒れることを防いだり、除草のために行なわれる。地下茎塊根を利用する作物、落花生のように地下で結実するもの、あるいはネギ・アスパラガスなどの栽培では重要な作業とされる。

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日本歴史地名大系 「土寄」の解説

土寄
つちより

中世、与良よら郡内にみえる地名。応永一一年(一四〇四)九月一一日の宗貞茂寄進状(与良郷宗家判物写、以下断りのない限り同判物写)に「対馬島土寄」とみえ、地内の竜蔵りゆうぞう寺に寺上畠・居屋敷賀志かし弥須諸畠、飯浜いいはま等弥須跡など四ヵ所が寄進された。うち飯浜は「北ハ地蔵堂土寄崎」を境とする地にあった(延徳元年一〇月一〇日宗国満・俵職幸等連署書状写)。「朝鮮王朝実録」太宗一八年(一四一八)五月庚午条によれば、「対馬州豆地要里浦」の都万戸沙文多羅の使いが朝鮮王朝に礼物を献上交易を行っているが、これは当地早田左衛門大郎のことであろう。太宗一四年に朝鮮王朝に使いを派遣して礼物や土物を献上している「豆地浦」の万戸沙斤多羅や万戸早田・兵衛三甫羅も(同書同年五月是月条・同年閏九月壬戊条)、当地の早田氏であろう。

世宗元年(一四一九)倭寇に悩まされた朝鮮王朝は李従茂の率いる二二七艘・一万六千六一六人の大軍を送り、対馬島「豆知浦」を襲撃、「賊船」一〇〇余艘と「賊戸」一千九〇〇余戸を焼き、一一四人を斬首し、二一人を生捕った(「朝鮮王朝実録」同年六月癸巳条)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「土寄」の意味・わかりやすい解説

土寄
つちよせ
ridging

培土ともいう。作間の土を取って,作物の根もとに寄せる作業。その目的は,土壌の理化学性改善のための畦立効果,麦類,とうもろこしなどの倒伏防止,野菜軟化栽培,じゃがいも,里芋などの品質向上,除草効果,病虫害,災害の回避など。

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