地獄谷(読み)ジゴクダニ

デジタル大辞泉 「地獄谷」の意味・読み・例文・類語

じごく‐だに〔ヂゴク‐〕【地獄谷】


火山活動が活発で硫気孔などが多く周囲植物が枯死して地獄のような景観になった場所。→地獄5
合戦などがあり、多くの死者が出た谷。
地獄谷温泉

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精選版 日本国語大辞典 「地獄谷」の意味・読み・例文・類語

じごく‐だにヂゴク‥【地獄谷】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 火山噴気孔や硫気孔などから水蒸気とともに亜硫酸ガスを噴出し、そのため周辺一帯草木が枯死して地獄のような景観の所。特に、北海道登別温泉にあるものや、富山県南東部、立山中腹の標高二三〇〇メートルにあるものが有名。
  3. 昔、合戦があり多くの死傷者を出した谷間

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日本歴史地名大系 「地獄谷」の解説

地獄谷
じごくだに

登別温泉街の北東五〇〇メートルに位置する。倶多楽くつたら火山の頂部が陥没した後、その西麓に日和ひより山とかさ山が寄生火山として噴出したが、その一方で火口のない円頂丘の地下でガスがたまって大爆発を起こして形成されたという。東西の長径四五〇メートル、面積約一二ヘクタールで、岩石硫黄に侵されて黄白色を呈し、崩れ落ちて絶壁を形成する(以上「登別町史」)。谷を横断する沢水によって多くの温泉湧出口や噴気孔が分布し、地獄と称する噴気帯や噴気により激しく噴湯する温泉だまりを形成する。谷に流入した沢水は噴気により加熱され、深部から湧出した温泉と混合して七〇度近い強酸性の温泉となる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「地獄谷」の意味・わかりやすい解説

地獄谷[温泉] (じごくだに)

富山県立山の中腹,標高2300mにある日本最高所の温泉。1km南にある室堂平(むろどうだいら)が立山信仰の中心地であったため,亜硫酸ガスや水蒸気を噴き上げるこの一帯は地獄谷と呼ばれてきた。1948年に温泉場が開かれ,71年には立山・黒部アルペンルートが開通して,長野県側の大町市からも行けるようになった。立山黒部貫行立山ケーブルの美女平駅からバスで55分,室堂で下車後,徒歩30分。旅館は4軒(冬季休業)。酸性硫化水素泉,72℃。
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地獄谷[温泉] (じごくだに)

長野県北東部,下高井郡山ノ内町にある温泉。横湯川の渓谷にあり,泉質は弱食塩泉,泉温60~90℃。河床から天然記念物の噴泉塔が熱湯と蒸気を15~20mの高さに噴き上げている。長野電鉄湯田中駅から上林温泉行きバスで15分,終点から徒歩約30分。宿は1軒で,露天ぶろがあり,対岸で餌づけされた地獄谷野猿公苑のサルも入浴しにくる。
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世界大百科事典(旧版)内の地獄谷の言及

【地獄谷[温泉]】より

…富山県立山の中腹,標高2300mにある日本最高所の温泉。1km南にある室堂平(むろどうだいら)が立山信仰の中心地であったため,亜硫酸ガスや水蒸気を噴き上げるこの一帯は地獄谷と呼ばれてきた。1948年に温泉場が開かれ,71年には立山・黒部アルペンルートが開通して,長野県側の大町市からも行けるようになった。…

※「地獄谷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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