埋もれる(読み)ウモレル

デジタル大辞泉 「埋もれる」の意味・読み・例文・類語

うも・れる【埋もれる】

[動ラ下一][文]うも・る[ラ下二]《平安時代以降「むもる」と表記されることが多い》
砂や土などに覆われて見えなくなる。埋没する。うずもれる。「雪に―・れた家」
才能真価業績などが、世の中に知られないでいる。うずもれる。「―・れている逸材
控え目である。引っ込み思案である。
「いとかうあまり―・れたらむは、心づきなくわるびたり」〈末摘花
晴れ晴れしないで、暗い感じである。陰気である。
「いと―・れたりやと、強ひてかき起こし給へば」〈東屋
[類語]まるうずまるうずもれるめるうずめる埋め立てる塞ぐ埋め込むけるけ込む埋没埋設埋蔵敷設

うずも・れる〔うづもれる〕【埋もれる】

[動ラ下一][文]うづも・る[ラ下二]
覆われて外から見えなくなる。うずまっている。うもれる。「豪雪に―・れた村々」
物や人などで場所がいっぱいになる。「会場聴衆で―・れる」
世の中に知られないでいる。うもれる。「―・れた人材
[類語]まるうずまるもれるめるうずめる埋め立てる塞ぐ埋め込むけるけ込む埋没埋設埋蔵敷設

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精選版 日本国語大辞典 「埋もれる」の意味・読み・例文・類語

うずも・れるうづもれる【埋】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]うづも・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 土や雪などに覆われて見えなくなる。また、物に深く入り込んで隠れる。
    1. [初出の実例]「たちかこめりしもののふ、くづるる山にうづもれて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
    2. 「常よりもしの屋の軒ぞうづもるるけふは都に初雪やふる〈瞻西〉」(出典:新古今和歌集(1205)冬・六五八)
  3. 物や人などで場所がいっぱいになる。
    1. [初出の実例]「池もみくさにうづもれたれば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
  4. ( の比喩的な用法 ) 人に知られない状態にある。
    1. (イ) 表立たない所に引っ込んでいる。
      1. [初出の実例]「さるあづま方のはるかなる世界にうづもれて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)東屋)
    2. (ロ) 物事や、人のほんとうの面がむなしく人に知られずにいる。
      1. [初出の実例]「あしき事よき事を思ひ知りながらうづもれなむもいふかひなし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕霧)
      2. 「筋目をただし時に埋(ウヅモ)れし人にはかぎらず」(出典浮世草子・俗つれづれ(1695)四)
  5. ( の比喩的な用法 ) 悲しみ、絶望などの気持に身を任せる。
    1. [初出の実例]「放肆(ほしいまま)な絶望に埋没(ウヅモ)れるの外は無かった」(出典:破戒(1906)〈島崎藤村〉一五)

埋もれるの語誌

「うずもれる」と「うもれる」には、「うずめる」と「うめる」の違い(→「うずむ(埋)」の語誌)と同様の差異が元来はあったと見られる。しかし、この両者は、「うずめられるもの」「うめられるもの」が主語になる表現であるため、結果としては同じことになり、ほとんど同義として使われる。→「うずまる(埋)」の語誌


うも・れる【埋】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]うも・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 ( 平安以後「むもる」と表記されることが多い )
  2. 土、雪などの中にはいって見えなくなる。また、他の物におおわれて見えなくなる。うずもれる。うもる。
    1. [初出の実例]「大に地震る〈略〉時に伊予の温泉没(ウモレ)て出でず」(出典:日本書紀(720)天武一三年一〇月(北野本訓))
  3. ( の比喩的な用法 ) 表立たないで引っこんでいる。うずもれる。
    1. (イ) ひかえめである。引っ込み思案である。
      1. [初出の実例]「年頃かくむもれてすぐすに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
    2. (ロ) 陰気である。はればれしない。ふさいでいる。
      1. [初出の実例]「登花殿のむもれたりつるに、はればれしうなりて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木)
    3. (ハ) 物事や人の価値などがむなしく人に知られずにいる。
      1. [初出の実例]「爺(とと)さんの怨を復(かへ)し、埋(ウモ)れし家を起さんと」(出典:人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)三)

埋もれるの語誌

「うずもれる」との違いについては、「うずもれる(埋)」の語誌参照。

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デジタル大辞泉プラス 「埋もれる」の解説

埋もれる

日本のテレビドラマ。2014年3月、WOWOWにて放映。2012年、第6回WOWOWシナリオ大賞を受賞した香坂隆史の脚本「愛の告発」の映像化。出演:桐谷健太、国仲涼子、斉木しげるほか。

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