デジタル大辞泉
「塞ぐ」の意味・読み・例文・類語
ふた・ぐ【▽塞ぐ】
[動ガ四]
1 「ふさぐ
」に同じ。
「耳を―・ぎてぞありつる」〈枕・八七〉
2 韻塞ぎをする。
「―・ぎもて行くままに、難き韻の文字どもいと多くて」〈源・賢木〉
[動ガ下二]
1 「ふさげる」に同じ。
「寝殿は―・げ給はず、時々渡り給ふ御住み所にして」〈源・松風〉
2 方塞がりになるようにする。
「方―・げて」〈源・帚木〉
ひさ・ぐ【▽塞ぐ】
[動ガ四]ふさぐ。閉じる。
「目を―・ぎて我が身をだも見ず」〈海道記〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ふさ・ぐ【塞】
- [ 1 ] 〘 他動詞 ガ五(四) 〙
- ① 道や川などを、さえぎってとざす。通行や流れを止める。
- [初出の実例]「将に北の河の
(こみ)を防(ほそ)かむとして茨田堤を築く。是の時に両処の築有て壊れて塞(フサキ)難き」(出典:日本書紀(720)仁徳一一年一〇月(前田本訓))
- ② 押えとどめる。防ぐ。制する。
- [初出の実例]「僧食を壅(フサイ)で、大法を障げ礙ぐること」(出典:四分律行事鈔平安初期点(850頃))
- ③ 穴などに、すき間なく物をいっぱい詰める。また、ふたをする。
- [初出の実例]「虱い若出でば、蓋を作りて塞(フサク)(〈別訓〉ふたく)応し」(出典:小川本願経四分律平安初期点(810頃))
- 「今細き管に水を満てて、其一方の口を塞ぎ」(出典:小学読本(1873)〈田中義廉〉四)
- ④ 心をある感情でいっぱいにする。
- [初出の実例]「憂悔心を塞(フサ)ぐ」(出典:法華義疏長保四年点(1002)五)
- ⑤ 耳・目・口などを手で押えておおう。目や口を閉じる。また、息を止める。
- [初出の実例]「鳴り轟く音〈略〉耳をふさぎ、汗しとどになりて」(出典:経信母集(11C中か))
- 「内なる斯のたたかひには、眼を瞑(フサ)ぎて」(出典:蓬莱曲(1891)〈北村透谷〉三)
- ⑥ 門や戸などを締める。閉じる。
- [初出の実例]「竹のあみ戸をとぢふさぎ、灯かすかにかきたてて」(出典:平家物語(13C前)一)
- ⑦ 場所を占める。
- [初出の実例]「丹波国に打越えて、大江山を打塞ぐ」(出典:延慶本平家(1309‐10)三末)
- ⑧ 望みや責任などを果たす。満たす。
- [初出の実例]「上は天の心に当ひ、下は民の望を厭(フサイ)たまへ」(出典:日本書紀(720)顕宗元年正月(熱田本訓))
- [ 2 ] 〘 自動詞 ガ五(四) 〙 ( 「鬱ぐ」とも書く )
- ① 不愉快になる。気分を害する。腹が立つ。
- [初出の実例]「女郎やのしうちにぐっとふさいで」(出典:黄表紙・莫切自根金生木(1785)上)
- ② ゆううつになる。陰気な気持になる。気分が晴れない。
- [初出の実例]「朝っぱらからふさいだ事かあって寝て居たはな」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三)
- [ 3 ] 〘 自動詞 他ガ下二 〙 ⇒ふさげる(塞)
塞ぐの補助注記
平安時代には、主として「ふさぐ」「ふさがる」が漢文訓読文に、「ふたぐ」「ふたがる」が和文に用いられた。
ふた・ぐ【塞】
- ( 蓋(ふた)をして外とへだてる意 )
- [ 1 ] 〘 他動詞 ガ四段活用 〙
- ① ふたをする。おおう。また、通れないようにする。占める。ふさぐ。
- [初出の実例]「往還の人面を掩(フタキ)鼻を奄(おほ)ひて」(出典:東大寺諷誦文平安初期点(830頃))
- 「にげて入袖をとらへ給へば、おもてをふたぎて候へど」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
- ② 韻塞(いんふたぎ)の遊びをする。
- [初出の実例]「ふたぎもてゆくままに、難き韻の文字どもいと多くて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木)
- [ 2 ] 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙 =ふさぐ(塞)[ 一 ]
- [初出の実例]「寝殿はふたげ給はず、時々わたり給ふ御すみ所にして」(出典:源氏物語(1001‐14頃)松風)
塞ぐの補助注記
( 1 )平安時代の漢文訓読文ではフサグを使用するのに対して、和文系の文献ではフタグを使用する。
( 2 )「聖語蔵本願経四分律平安初期点」に「蓋蔵」を「フタギヲサム」と訓読する例があるところから、「蓋(フタ)」の派生語かともいわれている。
ひさ・ぐ【塞】
- 〘 他動詞 ガ四段活用 〙 (目などを)ふさぐ。閉じる。
- [初出の実例]「おおと目うちひさきてよむ陀羅尼も」(出典:能因本枕(10C終)三一九)
塞ぐの補助注記
「枕草子」の用例は「ひさく(引裂)」と解する説もある。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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