埋まる(読み)ウマル

デジタル大辞泉 「埋まる」の意味・読み・例文・類語

うま・る【埋まる】

[動ラ五(四)]
くぼんだ所に物が詰まっていっぱいになる。うずまる。「流れ込む土砂で池が―・る」
あいている場所が人や物でいっぱいになる。「広い講堂が聴衆で―・る」
物に覆われてその下になり、見えなくなる。うずまる。うずもれる。「庭が花で―・る」「雪崩で―・る」
欠けたり不足したりしているところの補いがつく。補塡ほてんされる。「赤字が―・る」「部長のポストはまだ―・らない」
多く、打消しの語を伴う)割に合う。引き合う。→うずまる
戯談じょうだんと聞かれちゃ―・らない」〈二葉亭浮雲
[類語]うずまるもれるうずもれるめるうずめる埋め立てる塞ぐ埋め込むけるけ込む埋没埋設埋蔵敷設

うずま・る〔うづまる〕【埋まる】

[動ラ五(四)]
物に覆われて外から見えない状態になる。「火山灰に―・る」「本に―・る」
穴や、欠けていたものなどがふさがる。「空席が―・る」
ある場所が、物や人でいっぱいになる。「広場は聴衆で―・った」
[類語]まるもれるうずもれるめるうずめる埋め立てる塞ぐ埋め込むけるけ込む埋没埋設埋蔵敷設

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「埋まる」の意味・読み・例文・類語

うま・る【埋】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. くぼんだ所やあいている所がいっぱいにつまる。ふさがる。
    1. [初出の実例]「大手の堀一重(ひとへ)は、死人に埋(ウマ)りて平地になる」(出典太平記(14C後)七)
    2. 「すひがらで埋(ウマ)った火鉢」(出典:花冷え(1938)〈久保田万太郎〉一)
  3. ( の比喩的な用法 ) 足りない分が補われる。損失の埋め合わせがつく。補填(ほてん)される。
    1. [初出の実例]「どうしても五十両の穴は埋(ウマ)らぬ事と見ゆれども」(出典:滑稽本・古朽木(1780)四)
  4. ( の比喩的な用法 ) 苦労してそのかいがある。労力と報酬がつり合う。割に合う。多く打消の助動詞「ない・ぬ」を付けて用いる。→うまらないうまらぬ
    1. [初出の実例]「どけへいっても、色男一疋の役はしてくる男だ。何手めへの顔をふむには、て間隙(ひま)は入らねへ。跡でうまるめへぞよ」(出典:洒落本・通言総籬(1787)二)
  5. 土や雪などにおおい隠される。
    1. [初出の実例]「段々雪に積(つも)られて、二里も行くと最(も)う骸(からだ)は埋(ウマ)るはナ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四)

埋まるの語誌

→「うずまる(埋)」の語誌


うずま‐・るうづま‥【埋】

  1. [ 1 ] 〘 連語 〙 ( 四段活用動詞「うずむ(埋)」の未然形に、受身を表わす助動詞「る」の付いたもの ) 埋められる。うずもれる。
    1. [初出の実例]「はる風の花の吹雪にうづまれてゆきもやられぬ志賀の山みち」(出典:山家集(12C後)上)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
    1. 土や雪などにおおわれる。
      1. [初出の実例]「ミチガ ユキデ udzmaru(ウズマル)」(出典:和英語林集成(初版)(1867))
    2. 物や人で場所がいっぱいになる。
      1. [初出の実例]「陽成院の山は人で以て埋(ウヅ)まっちまった」(出典:落語・無学者論(1894)〈禽語楼小さん〉)

埋まるの語誌

( 1 )[ 二 ]は、受身形である[ 一 ]が、四段活用「うまる」との関係から、同じ四段活用に転じたものと見られる。
( 2 )「うずまる」「うまる」の違いは、「うずめる」「うめる」の差異(→「うずむ(埋)」の語誌)と同様である。
( 3 )「うずもれる」とは、ほぼ同義と見られるが、「うずもれる」の意味にはほとんど使わない。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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