基準給とも呼ぶ。日本の賃金は第2次大戦時や戦後における諸手当の増加のためにきわめて複雑となっていたが,1947年に実施された電産型賃金体系で初めて基準内,基準外に分けて整理する方法がとられた。この体系では,全労働者に一般的に支給される賃金を基準賃金とし,これを基本賃金(生活保障給,能力給,勤続給)と地域賃金とで構成した。一方,特別な場合に支給される賃金を基準外賃金とし,これに超過労働賃金,特殊労働賃金,特殊勤務賃金(僻地勤務手当,居住地制限手当)を含ませた。以来,基準内,基準外の区分が普及したのである。しかし,この区分は同時に多様化し,現在,基準内賃金,基準外賃金をそれぞれ所定内賃金,所定外賃金と同意に用いる例や,労働基準法にいう時間外労働の割増賃金の算定基礎となる賃金を基準内賃金,他を基準外賃金とする例など,各企業でさまざまである。今では,所定内,所定外の区分のほうが統一的で便利である。なお所定内賃金とは,決って支給する賃金のうち超過労働に対するもの以外をいう。
執筆者:上井 喜彦
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所定労働時間あるいは所定労働条件のもとでの労働の提供に対して支払われる賃金。一般的には、基本給、能力給、勤続給などからなる。賃金のこの部分以外は基準外賃金とよばれ、おもに、正常な勤務以外の労働に対して支払われる給与(諸手当)を内容とする。賃金のこうした区分は、1946年(昭和21)の電産型賃金(いわゆる「十月闘争」において、日本電気産業労働組合が獲得した賃金体系)から始まり、その後多くの企業で採用され、普及していったものである。しかし、その規定について一般的かつ具体的な規定があるわけではなく、基準内、基準外という用語とそのなかに含まれる賃金項目との間にはかならずしも一致しないものがある。
[横山寿一]
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…したがって,賃金体系は企業によって千差万別である。 賃金体系をまず支払項目別に整理してみると,大きく〈所定内賃金(基準内賃金)〉と〈所定外賃金(基準外賃金)〉とに分かれる。前者は労働協約や労働基準法にもとづく所定労働時間に対応して支払われる賃金部分のことで,後者は所定時間以上労働したときに支払われる部分である。…
※「基準内賃金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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