塩尻峠(読み)シオジリトウゲ

デジタル大辞泉 「塩尻峠」の意味・読み・例文・類語

しおじり‐とうげ〔しほじりたうげ〕【塩尻峠】

長野県中央部、諏訪盆地松本盆地境界にある峠。標高999メートル。中山道の旧峠は新峠の北にあり、天文年間(1532~1555)、武田氏小笠原・木曽両氏が戦った古戦場

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精選版 日本国語大辞典 「塩尻峠」の意味・読み・例文・類語

しおじり‐とうげしほじりたうげ【塩尻峠】

  1. 長野県中央部、松本盆地と諏訪盆地との分水界をなす峠。中山道が通る旧峠と国道二〇号が通る新峠とがある。八ケ岳北アルプスなどの雄大な眺望が開ける。

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日本歴史地名大系 「塩尻峠」の解説

塩尻峠
しおじりとうげ

松本平と諏訪盆地を結ぶ峠で塩嶺えんれいともいう。一帯は標高約一〇〇〇メートル、太平洋側と日本海側の分水嶺をなし、自然・人文ともに重要な境界線である。眺望は南に諏訪盆地が眼下に見渡せ、左手には八ヶ岳きりヶ峰、晴れた日は富士山も望める。西方には北アルプスの全貌も収められる。昭和三九年(一九六四)に「八ヶ岳中信高原国定公園」「塩嶺王城県立自然公園」に指定された。江戸期の中山道の峠(一〇五五メートル)の辺りを「塩嶺御野立公園」ともよび、一帯はレンゲツツジの群落や白樺林が美しく、また小鳥の名所で春から夏には野鳥の声の探聴会が催される。

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改訂新版 世界大百科事典 「塩尻峠」の意味・わかりやすい解説

塩尻峠 (しおじりとうげ)

長野県中央部にある峠。塩嶺(えんれい)とも呼ばれ,塩尻市岡谷市の境をなす。標高は999mで,国道20号線が通過している。天竜川・信濃川両水系の分水嶺にあたり,峠の名は太平洋岸から内陸部に運ばれる表塩(おもてじお)と,日本海岸から運ばれる裏塩の終点にあたることから名付けられたといわれる。諏訪・松本両盆地を結ぶ交通・軍事要衝で,古来からしばしば戦場となった。江戸時代に中山道が通っていた旧峠(1055m)は,現在よりやや北側にあり,1889年に馬車が通れる新道が開設されて,現在のルートに変わった。1983年開通の中央本線の塩嶺トンネルは,それまでの辰野経由に代わり,塩尻峠下を通過しており,岡谷~塩尻間を約16km短縮した。峠は展望にすぐれ,東には諏訪湖,霧ヶ峰,八ヶ岳,さらに遠方には富士山を望み,旧峠からは北西に松本盆地から北アルプスの山並みを見渡すことができる。一帯は塩嶺王城県立自然公園に属し,とくに旧峠付近は御野立公園と呼ばれ野鳥の宝庫である。
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百科事典マイペディア 「塩尻峠」の意味・わかりやすい解説

塩尻峠【しおじりとうげ】

長野県中部,塩尻市と岡谷市の境にある峠。標高1055m。太平洋岸側・日本海岸側の分水界をなす峠の一つ。古くは中山道が通じ,松本盆地諏訪盆地を結んだ。1548年武田信玄と小笠原長時の合戦がこの峠などで行われた。江戸時代には峠近くに人家がなかったので,1754年茶屋を開き,参勤交代の折の小休本陣とした。現在は南方の標高999mの地を国道20号線が通じる。
→関連項目塩尻[市]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「塩尻峠」の意味・わかりやすい解説

塩尻峠
しおじりとうげ

長野県中部,諏訪盆地と松本盆地を境する峠。新,旧2つの峠があり,旧峠は標高 1055m,新峠は 999m。旧峠は近世中山道の峠で,太平洋岸から甲府を経る「塩の道」と,日本海岸から千国街道を通る「塩の道」の末端にあたるところからこの名称が生じた。付近を御野立公園と呼び,北アルプス方面の眺めがよく,中山道はハイキングコースになっている。新峠は 1889年に開削され,眼下の諏訪湖をはじめ霧ヶ峰,八ヶ岳,富士山,あるいは諏訪,岡谷,下諏訪の市街の夜景など眺望がよい。国道 20号線が通る。北側を中央自動車道がトンネルで通過し,東側に岡谷インターチェンジがある。塩嶺王城県立自然公園に属する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「塩尻峠」の意味・わかりやすい解説

塩尻峠
しおじりとうげ

長野県の中央部、諏訪盆地(すわぼんち)と松本盆地の境界にある峠で、太平洋と日本海の分水界をなす。近世中山道(なかせんどう)の旧峠は標高1055メートル地点を通るが、現在の国道20号の峠は1012メートル。1986年峠下を中央自動車道長野線(長野自動車道)がトンネルで抜けている。国道の峠にはドライブインや旧長野県庁舎の一部を移築した記念館などがあり、旧峠には展望台があって眼下の諏訪湖をはじめ富士山や北アルプスなどが一望できる。付近一帯は野鳥の宝庫でもある。

[小林寛義]

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