壁に耳あり(読み)カベニミミアリ

デジタル大辞泉 「壁に耳あり」の意味・読み・例文・類語

壁かべに耳みみあり

どこでだれが聞いているかも知れないということ。密談が漏れやすいことのたとえ。壁に耳。「壁に耳あり、障子に目あり」
[類語]壁に耳あり障子に目あり・後ろの目壁に耳・壁の物言う世・牆かきに耳あり・障子に目あり・闇夜に目あり・藪やぶに目・こそこそ三里・天知る地知る我知る子し知る・隠れたるより見あらわるるはなし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

関連語 闇夜 あら 三里

ことわざを知る辞典 「壁に耳あり」の解説

壁に耳あり

周囲に人がいないからといって油断して話をすると、どこでだれが聞き耳を立てているかわからない。秘事はとかく漏れやすいことのたとえ。

[使用例] 凡およそ二百頁余のものであったと思う。それを写すについては誰にも言われぬのはもちろん、写すところを人に見られては大変だ。〈略〉人間世界は壁に耳あり眼もあり、既に人に悟られて今にも原書を返せとか何とかいって来はしないだろうか[福沢諭吉*福翁自伝|1899]

[使用例] 「江戸への便りは、もう書けましたか」「今一つ、探索が足りませぬ。明日の朝早う、三条実美卿の動静を――」「叱しッ――夜更けとて、壁に耳ではありませんか」「気のつかぬことをいたしました」[舟橋聖一*続花の生涯|1953]

[解説] 壁を擬人化して、「壁に耳あり」としています。一三世紀の文献に確認できる古い表現で、「墻かきに縫ぬいめあり」と続けることもありましたから、中国語から入ったものと推定してよいでしょう。
 江戸後期には、「障子に目あり」のほか、「徳利に口あり」などと続けることもありました。しかし、今日では、「徳利」のユーモアが忘れられ、「障子」も日常生活では珍しくなって、しだいに耳にしなくなっています。
 なお、このことわざと比喩は多少異なっても、発想のほぼ同じ表現が、世界中きわめて広い範囲に認められます。

〔英語〕Walls have ears.(壁に耳あり)/Fields have eyes, and woods have ears. (野に目あり、森に耳あり)

〔中国〕墻有縫、壁有耳(塀に隙間あり、壁に耳あり)

〔朝鮮〕낮말은 새가 듣고 밤말은 쥐가 듣는다(昼の話は鳥が聞き、夜の話はねずみが聞く)

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