女子差別撤廃条約(読み)じょしさべつてっぱいじょうやく

精選版 日本国語大辞典 「女子差別撤廃条約」の意味・読み・例文・類語

じょしさべつてっぱい‐じょうやく ‥デウヤク【女子差別撤廃条約】

〘名〙 女性に対するあらゆる形態の差別撤廃するための措置規定した条約。一九七九年の国連総会採択、八一年発効日本は八五年に批准

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デジタル大辞泉 「女子差別撤廃条約」の意味・読み・例文・類語

じょしさべつてっぱい‐じょうやく〔ヂヨシサベツテツパイデウヤク〕【女子差別撤廃条約】

《「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」の通称》女子に対するあらゆる差別の撤廃を基本理念とし、政治的・経済的・社会的活動などにおける差別を撤廃するために締約国が適切な措置をとることを求める条約。1979年の国連総会で採択され、1981年に発効。日本は昭和60年(1985)に批准した。女性差別撤廃条約
[補説]1999年の国連総会で、同条約に定められた権利を侵害され、国内で救済を受けられない個人または集団が、国連の女子差別撤廃委員会に直接救済を求めることができる個人通報制度などについて規定した選択議定書が採択され、2000年に発効した。日本は、司法権の独立および国内の司法制度との間において問題を生じる懸念があるとして、選択議定書は批准していない。

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百科事典マイペディア 「女子差別撤廃条約」の意味・わかりやすい解説

女子差別撤廃条約【じょしさべつてっぱいじょうやく】

性差別撤廃条約(婦人差別撤廃条約)とも。正称は〈女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約〉。従来男女の性役割に基づく差別や偏見を撤廃し,男女平等の実現をめざす。人権尊重を基盤とし,1967年に国連で採択された〈女子差別撤廃宣言〉を源とする。1979年の国連総会で採択され,1980年の〈国連婦人の10年〉中間年世界会議で署名,1981年発効。1982年には国連内に,各国における差別撤廃の進捗状況を審査する女子差別撤廃委員会が設置された。日本は1980年署名,1984年の国籍法改正,1985年の男女雇用機会均等法制定,家庭科教育の見直しなどの後,1985年に批准。
→関連項目国際婦人年国際連合

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改訂新版 世界大百科事典 「女子差別撤廃条約」の意味・わかりやすい解説

女子差別撤廃条約 (じょしさべつてっぱいじょうやく)

正称は〈女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約〉。1979年第34回国連総会において採択,81年発効。〈国連憲章〉〈世界人権宣言〉〈国際人権規約〉の人権尊重を基調にして,〈女子に対する差別撤廃宣言〉(1967採択)を充実し,国際的拘束力をもたせた条約。15項目の前文と6部30条の本文とから成り,政治,経済,社会,文化,市民生活のあらゆる分野での性差別の撤廃を規定。日本は,80年に同条約に署名,85年に批准した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「女子差別撤廃条約」の意味・わかりやすい解説

女子差別撤廃条約
じょしさべつてっぱいじょうやく
Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination Against Women

1967年の国際連合の女子差別撤廃宣言に起源をもち,その諸原則を実施するために 1979年国連第 34回総会で採択された条約 (1981年発効) 。ここでいう女子差別とは,「性に基づく区別,排除または制限」であって,締約国は女子に対するあらゆる差別を撤廃する政策を追求することに合意し,そのためのあらゆる適当な手段を遅滞なくとることが義務づけられる。日本は 1980年に署名,1985年に批准している。この結果,従来の父系血統優先主義の国籍法を改正,あるいは男女雇用機会均等法を成立させるなどの具体的措置を講じている。 1998年現在,当事国は 161ヵ国。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「女子差別撤廃条約」の解説

女子差別撤廃条約(じょしさべつてっぱいじょうやく)
Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination against Women

政治参加,国籍,教育,雇用,保健,経済・社会活動などにおける女性差別の撤廃を目的とする条約。法制度のみならず,男女の定型化された慣行上の役割や差別の廃止も求めている。1979年国連総会で採択,81年に発効。日本は85年に批准。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「女子差別撤廃条約」の意味・わかりやすい解説

女子差別撤廃条約
じょしさべつてっぱいじょうやく

女性差別撤廃条約

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世界大百科事典(旧版)内の女子差別撤廃条約の言及

【女性運動】より

…日本でもこれを契機に,〈国際婦人年をきっかけに行動をおこす会〉など各地に女性運動の組織が結成された。1980年には〈国連婦人の10年〉中間年としてコペンハーゲンで世界会議が開かれ,1979年に国連総会で採択された〈女子差別撤廃条約〉(女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約)の署名式が行われ,日本もそれに署名した。80年代には,日本の女性運動は,同条約批准のための国内法の整備,特に実効ある〈男女雇用機会均等法〉の成立に向けられ,同条約は1985年に批准された。…

【女性労働】より

…1960年代以降,世界各国で男女平等要求が高まり,75年国際婦人年には,ILO第60回総会で女性労働者の機会および均等待遇のための〈宣言,行動計画〉が採択された。79年国連の〈女子差別撤廃条約〉の採択(1981成立)にともなって,ILOでは家庭責任は両性にあるという立場から,従来の保護法を見直して画期的な〈男女労働者,家族的責任を有する労働者の機会均等及び平等待遇に関する条約〉(156号)と165号勧告を採択した。つづく90年代には,〈パートタイム労働に関する条約〉(175号),勧告(182号),〈家内労働に関する条約〉(177号),勧告(184号)が採択された。…

【男女雇用機会均等法】より

…国際的には,国連の女子差別撤廃条約を批准するため,国内的には,結婚退職や定年年齢の性差別など,女性労働者が職場での性差別を提訴し多くの性差別に関する判例が蓄積されてきた実績に基づいて,1985年(昭和60)5月に成立した法律(施行は1986年4月)。法の目的は,雇用の分野における男女の均等待遇と女性労働者の職業生活と家庭生活の調和を図ることであり,その内容は,募集・採用,配置・昇進が事業主の努力義務で,教育訓練,福利厚生,定年・退職・解雇が差別禁止規定となっている。…

※「女子差別撤廃条約」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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