子吉川(読み)コヨシガワ

デジタル大辞泉 「子吉川」の意味・読み・例文・類語

こよし‐がわ〔‐がは〕【子吉川】

秋田県南西部を流れる川。鳥海山東麓に源を発し、由利本荘市中心部を流れ日本海に注ぐ。長さ61キロ。上流には法体ほったいの滝がある。本荘平野農業用水として利用されている。

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日本歴史地名大系 「子吉川」の解説

子吉川
こよしがわ

鳥海山に発する鳥海川と、丁岳ひのとだけ山地から流れ出る笹子じねご川が合流して子吉川となる。ほぼ西北に流れ上中流域は矢島やしま川ともよばれる。中流であゆ川・高瀬たかせ川(石沢いしざわ川)、下流でいも川を合わせ、本荘市街北部を西流し、古雪湊ふるゆきみなとで日本海に注ぐ。全長約八三キロ。

寛政二年(一七九〇)にこの地を訪れた古河古松軒は「東遊雑記」に「本庄川とも子吉川ともいひ、川上にては芋洗ひ川と称す。海あり、潮さし入て二、三百石積の海船入るゝなり」と記す。藩政期には矢島藩舟運に寄与した。

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改訂新版 世界大百科事典 「子吉川」の意味・わかりやすい解説

子吉川 (こよしがわ)

秋田県南西部,おもに由利本荘市を流れ,日本海に注ぐ川。幹川流路延長61km,流域面積1190km2。上流は笹子(じねご)川といい,秋田・山形県境の丁(ひのと)岳山地に源を発し,同市の旧矢島町で鳥海川を合わせ,下流の本荘平野で石沢川,芋川を合流する。中流には低位河岸段丘が発達する。近世は本荘・亀田・矢島各藩の支配地域で,河口南岸の本荘藩古雪(ふるゆき)湊,北岸の亀田藩石脇港が栄え,内陸部の米の川下げ,塩,魚,日用品の川上げに利用された。1789年(寛政1)には矢島藩の年貢米の川下げ,サケ漁の独占などをめぐって本荘・亀田両藩の間で紛争おこり幕府の裁決がでている。1905年の和船数は50石以上11,50石未満1032であった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「子吉川」の意味・わかりやすい解説

子吉川
こよしがわ

秋田県南西部,鳥海山東麓に発し,由利本荘市を貫流して日本海に注ぐ川。全長 61km。上流を鳥海川と呼び,途中笹子川を合わせて北西流。下流に本荘平野形成。かつては現在の市街地に石脇港,古雪港の2河港が相対していたが,のちに河口に本荘港を残すのみとなった。

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百科事典マイペディア 「子吉川」の意味・わかりやすい解説

子吉川【こよしがわ】

秋田県南部の川。長さ61km,流域面積1190km2。山形県にまたがる丁岳(ひのとだけ)山地の北側に発し,鳥海山北麓を蛇行(だこう)しながら北流,日本海に注ぐ。江戸時代には本庄川とも称し,舟運もみられた。由利町(現・由利本荘市)から下流は谷底平野の本荘平野を形成,本荘米の多産地をなし,河口に本荘市街が発達する。上流は木材の大産地。

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