「こうえいたつ」とも。中国、唐(とう)初の学者。冀州(きしゅう)衡水(こうすい)(河北省)の人。字(あざな)は仲達(ちゅうたつ)。少時より崔霊恩(さいれいおん)の「三礼(さんらい)義宗」に学び、北朝系の春秋学・礼学を修め、算学・暦法にも通じ、大儒劉焯(りゅうしゃく)(544―610)に質疑して畏敬(いけい)された。隋(ずい)初より学官となり、煬帝(ようだい)が全国の学士を集めた際、先輩をしのぎ、刺客を放たれたりした。唐の626年(武徳9)国子博士、638年(貞観12)国子祭酒(学長)に累進。その間、太宗(李世民)への忠言、皇太子への諫言(かんげん)をしばしば行い、魏徴(ぎちょう)らと正史『隋書』を編集、顔師古(がんしこ)らと「大唐儀礼(ぎれい)」を制定。また顔師古の「五経定本」をもとに司馬章(しばしょう)・王恭(おうきょう)らと経書(けいしょ)の統一解釈を行い、642年その『五経正義(ごきょうせいぎ)』(180巻)を完成し、六朝(りくちょう)以来の経学集成を遂げ、科挙(官吏登用試験)に標準を与えた。
[戸川芳郎 2016年1月19日]
中国,唐の儒学者。〈こうえいたつ〉〈くえいだつ〉ともいわれる。字は仲達,冀州衡水(河北省)の人。動乱の世に学問を修め,日に千余言を暗誦したという。大儒として聞こえた劉焯(りゆうしやく)の門を叩いたが,質疑して尊敬に値しないことを知り,引きとめるのを振りきって帰郷し,家にあって弟子に教授した。その学は南北両学派にまたがり,かねて算学暦法にも通じた。隋末に明経に挙げられ,唐の初めに,50余歳で国子博士となり,太宗の即位後に国子司業に進み,顔師古らと《隋史》《大唐儀礼》などを編纂し,638年(貞観12)国子祭酒に拝せられた。太宗の命をうけて多くの学者とともに,南北両学派の統一を目的として《五経正義》180巻を撰定した。従来,五経の解釈が多岐に分かれ章句が繁雑であったのが,これによって整理一定され,以後,科挙試験の標準とされ,今日まで経書解釈の基本文献とされる。死後に太宗の昭陵に陪葬。
執筆者:日原 利国
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
574~648
「くようだつ」と呼びならわす。唐初の学者。初め隋に仕え,のち唐の太宗に仕えて,国子祭酒となった。勅を奉じて『五経正義』を著し,また魏徴(ぎちょう)と『隋書』を編集した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…中国,唐の儒学者。〈こうえいたつ〉〈くえいだつ〉ともいわれる。字は仲達,冀州衡水(河北省)の人。動乱の世に学問を修め,日に千余言を暗誦したという。大儒として聞こえた劉焯(りゆうしやく)の門を叩いたが,質疑して尊敬に値しないことを知り,引きとめるのを振りきって帰郷し,家にあって弟子に教授した。その学は南北両学派にまたがり,かねて算学暦法にも通じた。隋末に明経に挙げられ,唐の初めに,50余歳で国子博士となり,太宗の即位後に国子司業に進み,顔師古らと《隋史》《大唐儀礼》などを編纂し,638年(貞観12)国子祭酒に拝せられた。…
…中国,唐の太宗の642年(貞観16),国子祭酒の孔穎達(くようだつ)を総裁として完成された五経の注釈書。選ばれた五経にたいする第一次の注釈として,《周易》は王弼(おうひつ)と韓康伯,《尚書》は孔安国,《毛詩》は毛公と鄭玄(じようげん),《礼記》は鄭玄,《春秋左氏伝》は杜預の注にもとづきつつ,それらの注にたいする第二次的注釈として,六朝時代に堆積したいわゆる義疏(ぎそ)(義疏学)のなかから妥当なものがとられた。…
…以来経書の研究解釈が盛んに行われ,ことに後漢から魏晋南北朝時代にかけて多くの注およびその注を詳しくした疏が作られ(注疏),経書解釈の多様化がもたらされた。唐による天下統一が実現すると,経書解釈の統合整理の必要が求められ,太宗はまず顔師古に命じて五経の定本を作らせ,つぎに孔穎達(くようだつ)に命じて経書の標準的解釈を作らせ,4次にわたる更定を経て大成した。これが《五経正義》である。…
※「孔穎達」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
群馬県のマスコットキャラクター。人間だと7歳ぐらいのポニーとの設定。1994年の第3回全国知的障害者スポーツ大会(ゆうあいピック群馬大会)で「ゆうまちゃん」として誕生。2008年にぐんまちゃんに改名...
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
7/22 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
6/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
5/20 小学館の図鑑NEO[新版]昆虫を追加