安国論寺(読み)アンコクロンジ

デジタル大辞泉 「安国論寺」の意味・読み・例文・類語

あんこくろん‐じ【安国論寺】

神奈川県鎌倉市大町にある日蓮宗の寺。安国論窟寺。山号は妙法華経山。開創は建長5年(1253)。開山日蓮。日蓮が「立正安国論」を執筆した草庵跡がある。安国寺

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精選版 日本国語大辞典 「安国論寺」の意味・読み・例文・類語

あんこくろん‐じ【安国論寺】

  1. 神奈川県鎌倉市大町にある日蓮宗の寺。山号は妙法山正称は妙法華経山安国論窟寺。建長五年(一二五三)日蓮が初めて法華経の題目を唱え、「立正安国論」を書いたと伝えられる松葉ケ谷(まつばがやつ)草庵の旧跡

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日本歴史地名大系 「安国論寺」の解説

安国論寺
あんこくろんじ

[現在地名]鎌倉市大町四丁目

妙法みようほう寺の南にある。日蓮宗、妙法山安国論寺と号する。もと妙本みようほん寺末。開山・本尊は日蓮。寺名は境内にある岩窟内で日蓮が「立正安国論」を書いたのにちなむという。元禄二年(一六八九)刊の「鎌倉名越松葉谷根本御小庵安国寺由来」によると、妙法寺長勝ちようしよう寺と同じように、建長五年(一二五三)日蓮が安房国から鎌倉にきて初めて小庵を営んだ所といい、いわゆる文応元年(一二六〇)松葉まつばヶ谷法難の霊跡と伝える。この霊跡をめぐり江戸時代に妙法寺と長勝寺とが争い幕府裁定を仰いだ結果、天明七年(一七八七)に妙法寺が小庵跡と認められている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「安国論寺」の意味・わかりやすい解説

安国論寺
あんこくろんじ

神奈川県鎌倉市大町にある寺。日蓮(にちれん)宗に属し、妙法華経(みょうほけきょう)山と号す。日蓮は32歳のとき清澄寺(きよすみでら)で唱題し立教開宗したが、地頭東条景信の迫害にあい、1253年(建長5)鎌倉へ出、松葉ヶ谷(まつばがやつ)に住した。本寺はその草庵(そうあん)跡(ほかに2か所ある)といわれる。ここで『立正安国論』を著して、1260年(文応1)幕府に提出したが、浄土教徒により庵室を焼き討ちされた。現在の本堂は宝暦(ほうれき)年間(1751~1764)徳川宗勝建立である。境内には日蓮に関する遺跡があり、寺宝には日朗(にちろう)筆『立正安国論』などがある。

[田村晃祐]

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デジタル大辞泉プラス 「安国論寺」の解説

安国論寺

神奈川県鎌倉市にある寺院。日蓮宗。山号は妙法華経山。日蓮上人が「立正安国論」を草したとされる岩窟のそばに、弟子が建立した安国論窟寺が起源と伝わる。「安国寺」ともいう。

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