(読み)エン

デジタル大辞泉 「宴」の意味・読み・例文・類語

えん【宴】[漢字項目]

常用漢字] [音]エン(呉)(漢) [訓]うたげ
酒盛り。うたげ。「宴会宴席賀宴饗宴きょうえん酒宴祝宴小宴招宴盛宴
楽しむ。くつろぐ。「宴居
[名のり]もり・やす・よし

うたげ【宴/×讌】

酒宴。宴会。さかもり。「うちあげ(打ち上げ)」の音変化とも、歌酒の意ともいう。
[類語]宴会パーティー

えん【宴】

飲食歌舞などをして、遊び楽しむこと。宴会。うたげ。「を張る」
[類語]宴会うたげパーティー

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精選版 日本国語大辞典 「宴」の意味・読み・例文・類語

えん【宴】

  1. 〘 名詞 〙 酒食の席を設け、歌舞などをして遊び楽しむこと。また、人を接待すること。宴会。酒盛り。うたげ。
    1. [初出の実例]「九日の宴はかしこにてきこしめさん」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上下)
    2. 「宴酣(エンたけなは)なる頃、鍋が焼きついて来たので、C女はKの方にある水入の水を鍋に入れるべくKに請求した」(出典:搦手から(1915)〈長谷川如是閑〉病める革命家の日記から)
    3. [その他の文献]〔春秋左伝‐昭公二五年〕

うたげ【宴・讌】

  1. 〘 名詞 〙 酒盛り。酒宴。宴会。
    1. [初出の実例]「壬戌の朔に新室(にひみや)に讌(ウタゲ)す」(出典:日本書紀(720)允恭七年一二月(図書寮本訓))

え【宴】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「えん」の「ん」の無表記 ) 宴会。酒宴。えん。
    1. [初出の実例]「十月ふたつあるとし御前の菊のえに」(出典:類従本兼輔集(933頃))

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普及版 字通 「宴」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(異体字)
9画

[字音] エン
[字訓] たのしむ・うたげ

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
宀(べん)+(えん)。は女子の頭上に玉(日)を加えて魂振りする意。中で行うを宴、秘匿のところで行うをという。これにより心が安らぐので、宴安・宴楽の意となる。〔説文〕七下に「安なり」と訓するが、西周後期の〔侯鼎(がくこうてい)〕に「王、宴を休(たま)ふ」「王、宴す。咸(をは)る。(いん)す」のように、公的儀礼として行われる宴をいう。字の初形はは魂振り儀礼であるから、宴ももと魂振り的な意をもつ儀礼であろう。

[訓義]
1. やすらか、たのしむ。
2. 宴飲の意に用いて、うたげ、さかもり。

[古辞書の訓]
名義抄〕宴 ヤスシ・シヅカニ・タノシ・トモシ・カスカナリ

[語系]
宴・yananは一系の字。燕ian、婉iuanも声義近く、たのしみやわらぐ意がある。

[熟語]
宴安宴慰・宴逸・宴飲・宴宴貨・宴歌・宴会・宴宴玩・宴居宴享・宴・宴見・宴語宴娯・宴好宴犒・宴坐・宴私・宴集宴聚・宴処・宴如・宴席宴餞・宴息・宴適・宴夜宴游宴飫・宴楽
[下接語]
飲宴・花宴・嘉宴・賀宴・雅宴・会宴・宴・歓宴・綺宴・御宴・享宴宴・曲宴・禊宴・高宴・講宴・私宴・賜宴・侍宴・酒宴・寿宴・祝宴・小宴・招宴・祖宴・送宴・内宴・芳宴・宴・夜宴・游宴・飫宴・留宴

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【宴会】より

…世界の諸民族の宴会には共通した点がいくつかある。宴会(宴(うたげ))が周期的に訪れる祭りの一環として行われ,そこに厳粛と狂騒,競争,浪費,贈与などをともなった非日常的な世界が展開されている。…

【拍手】より

…神道では神拝作法で,ひらで(開手,平手),やひらで(八開手),てうち,かしわでともいう。折口信夫によると,平安期の大饗(おおあえ)と名付けられた饗宴には正客が正席につくと,列座の衆が拍手するのが本式で,宴(うたげ)とは〈うちあげ(拍ち上げ)〉で礼拝を意味したが,時代を経るにしたがって饗宴全体をあらわし,ついには酒宴をさすようになり,これが饗宴の主要部を構成すると考えられるようになったという。柏手(かしわで)手打【藤井 正雄】。…

※「宴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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