氷雪気候(読み)ひょうせつきこう

精選版 日本国語大辞典 「氷雪気候」の意味・読み・例文・類語

ひょうせつ‐きこう【氷雪気候】

〘名〙 寒帯気候一つ一年中雪や氷の層で覆われる、地球上で最も寒冷な気候。最暖日平均気温摂氏零度以下。北極南極グリーンランド内部などに分布する。

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デジタル大辞泉 「氷雪気候」の意味・読み・例文・類語

ひょうせつ‐きこう【氷雪気候】

ケッペンの気候区分による寒帯気候の一。符合EF。一年じゅう気温はセ氏零度以下で、氷床大陸氷河)が発達する。植物は全く育たず、調査研究基地などに人が住むのみで定住的な都市はない。グリーンランド内陸部・南極大陸のみにみられる。永久凍結気候

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「氷雪気候」の意味・わかりやすい解説

氷雪気候
ひょうせつきこう

寒帯気候に属し、一年中氷雪に覆われ、地球上でもっとも寒冷な気候である。地表永久凍土層をなし、永久凍結気候ともいう。ケッペンの気候分類では、寒さのために樹木生育できない気候である無樹木気候のうち、最暖月の平均気温0℃未満を氷雪気候(EF気候)、0℃以上をツンドラ気候(ET気候)とした。また、降水のすべてが雪の形をとり、融解、蒸発による積雪の減少より、降雪による増加のほうが多い気候とも定義できる。そのため陸上では年々積雪が増加し、その圧力で下層の雪は氷となり、氷河や氷床となる。ヒマラヤやアルプスの高山、エスキモーなどが狩猟をしているグリーンランド、各国が協力して学術観測をしている南極大陸が、氷雪気候の地域である。南極は、豊富な地下資源や軍事的・領土的な重要性から各国とも強い関心をもっているが、地球上に残された最後の大地を、人類共通の財産として守っていこうという気運が高まっている。

[山下脩二]

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百科事典マイペディア 「氷雪気候」の意味・わかりやすい解説

氷雪気候【ひょうせつきこう】

永久凍結気候とも。世界を気候の違いで区分したもののうちの一つで,ケッペンの気候区分では〈EF〉で表される。一年を通じて氷や雪に覆われて地面が見えることはまずなく,もっとも暖かい月でも平均気温が0度を上回ることはない,寒さのきわめて厳しい気候。高緯度地域,特にグリーンランド中央部や南極大陸で顕著に分布がみられる。
→関連項目北極地方

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「氷雪気候」の意味・わかりやすい解説

氷雪気候
ひょうせつきこう
nival climate

ウラジーミル・P.ケッペンの気候区分で,樹木の生育を許さない寒帯気候のうちでも特に寒さが厳しく,月の平均気温が一年中 0℃以上にならない気候。永久凍結気候ともいう。地面は雪や氷に覆われ,永久に凍結している。南極大陸,グリーンランドの大部分,シベリアの極北部および北アメリカ大陸の北岸地方に分布している。この気候地域の定住動物はアザラシ,ペンギンなど種類が少なく,植物はほとんどみられず,人類の居住も観測所や軍事基地などの特殊な場合以外にはみられない。

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改訂新版 世界大百科事典 「氷雪気候」の意味・わかりやすい解説

氷雪気候 (ひょうせつきこう)

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世界大百科事典(旧版)内の氷雪気候の言及

【永久凍結気候】より

…最暖月平均気温が0℃未満の氷雪気候nival climateの一つ。氷雪気候とは,降水が雪の形をとり,かつ融解や蒸発などによって消失する量よりも新しく降り積もる雪の量の方が多い気候のことをいうが,全部雪となって降らず雨も交えることもある半氷雪気候に対して,まったく雪だけで雨を伴わない完全氷雪気候のことを永久凍結気候という。…

※「氷雪気候」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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