封ずる(読み)フウズル

デジタル大辞泉 「封ずる」の意味・読み・例文・類語

ふう・ずる【封ずる】

[動サ変][文]ふう・ず[サ変]
封をする。「小包をしっかり―・ずる」
出入り口などを閉じてふさぐ。「空港を―・ずる」「敵の退路を―・ずる」
自由な発言行動ができないようにする。「口を―・ずる」「反対派の動きを―・ずる」
神仏通力などによって閉じ込める。「お札で虫を―・ずる」
[類語]塞ぐ閉ざす閉める閉じるたてる閉め切るさえぎはば遮断する封鎖する閉鎖する閉塞へいそくする

ほう・ずる【封ずる】

[動サ変][文]ほう・ず[サ変]領地を与えて大名に取り立てる。領主とする。「五万石の大名に―・ずる」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「封ずる」の意味・読み・例文・類語

ふう‐・ずる【封】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]ふう・ず 〘 他動詞 サ行変 〙
  2. 封をする。
    1. [初出の実例]「凡封駅伝勅符式、〈略〉内記、主鈴封凾、官吏発遣」(出典延喜式(927)一二)
    2. 「歌を書きて封じておきて退出せられにけり」(出典:古今著聞集(1254)五)
  3. とじこめる。封じこめる。
    1. [初出の実例]「開き見れば唯銭四貫无し。怪しびて蔵に封ず」(出典:日本霊異記(810‐824)中)
  4. 神仏の力によって活動させないようにする。
    1. [初出の実例]「龍の泣くぞと思ひて、心に龍の声とどむる符を作りてこれを封じてけり」(出典:十訓抄(1252)一〇)
  5. ある行動や、そのための手段を禁ずる。禁止する。
    1. [初出の実例]「承はれば、お宿への使ひは封(フウ)じてあるとやら」(出典:歌舞伎天衣紛上野初花河内山)(1881)序幕)

ほう‐・ずる【封】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]ほう・ず 〘 他動詞 サ行変 〙
  2. 土を高く盛る。土を盛って境を設ける。
    1. [初出の実例]「瘞歴任之衣冠魚帯、載封載碑、自題曰梅里先生墓」(出典:常山文集(1718)二〇・梅里先生碑陰)
  3. 領地を与えて諸侯とする。領主にする。
    1. [初出の実例]「男は是侯にだも封ぜられず」(出典:葉子十行本平家(13C前)六)
  4. (ふう)をする。とじる。
    1. [初出の実例]「池の凍の東頭は風度って解く 窓の梅の北西は雪封じて寒し〈藤原篤茂〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)上)

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