阻む(読み)ハバム

デジタル大辞泉 「阻む」の意味・読み・例文・類語

はば・む【阻む/×沮む】

[動マ五(四)]
進もうとするのをさまたげる。防ぎとめる。また、こばむ。「前進を―・む」「連勝を―・む」
気持ちがくじける。ひるむ。
勇毅にして―・まず、労苦して倦まず」〈中村訳・西国立志編
[可能]はばめる
[動マ下二]責める。なじる。〈新撰字鏡
[類語](1阻止塞ぐ閉ざす閉める閉じるたてる閉め切るふうずるさえぎ遮断する封鎖する閉鎖する閉塞へいそくする妨げる抑える立ち塞がるせきとめる食い止める立ちはだかる制止妨害押しとどめるストップを掛ける掣肘せいちゅう封殺諫止挫く弱める砕く邪魔阻害そがい干渉横槍よこやり障害支障障壁さわ邪魔だて水を差す水をかける足を引っ張る削ぐ圧伏圧殺捕まえる握る挟むブレーキが掛かる腰を折る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「阻む」の意味・読み・例文・類語

はば・む【阻・沮】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
    1. 進んでくる相手を押えとどめる。防ぎとめる。
      1. [初出の実例]「共に留め難(ハバメテ)、祈ふ所を果さずあらむかと慮ふ」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一〇)
    2. 責める。なじる。詰責する。
      1. [初出の実例]「理の如く詰(波々目)責(とぶらふ)に」(出典:大乗阿毗達磨雑集論平安初期点(800頃)一二)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
    1. 進んでくる相手を押えとどめる。防ぎとめる。また、拒否する。拒絶する。こばむ。
      1. [初出の実例]「君の出遊を甚だしく沮んだといふのだネ」(出典:付焼刃(1905)〈幸田露伴〉三)
    2. 間をせまくする。せばめる。
  3. [ 3 ] 〘 自動詞 マ行四段活用 〙 くじけ衰える。ひるむ。力がよわる。
    1. [初出の実例]「勇毅にして沮(ハバマ)(〈注〉ヨハラ)ず」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android