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小島法師 コジマホウシ

デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

小島法師 こじまほうし

?-1374 南北朝時代の僧。
「太平記」の作者とつたえられる。洞院公定(とういん-きんさだ)の日記の記述がその根拠であるが,経歴は不詳。備前(岡山県)児島の山伏,比叡(ひえい)山に関係する散所(さんじょ)法師で芸能者・物語僧,児島高徳(たかのり)と同一人物などの諸説がある。応安7=文中3年4月28/29日死去。

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朝日日本歴史人物事典の解説

小島法師

没年:応安7/文中3.4.28,29(1374.6.8,9)
生年:生年不詳
『洞院公定公記』(『続史料大成』所収)応安7.5.3条の「伝え聞く,去る廿八九日の間,小島法師円寂すと云々。是れ近日天下に翫ぶ太平記の作者なり。凡そ卑賤の器たりと雖も,名匠の聞え有り。無念と謂うべし」(原漢文)という記事により,『太平記』成立に深くかかわる人物として注目される。しかしその実像は「小島」を地名ととるかどうか,玄恵,恵鎮との関係をどうみるか,で分かれ,延暦寺に属する下級の僧,備前国児島の山伏,恵鎮のもとにいた物語(説経)僧,などの説がある。<参考文献>鈴木登美恵,長谷川端『太平記』(鑑賞日本の古典13巻)

(堀川貴司)

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世界大百科事典 第2版の解説

こじまほうし【小島法師】

?‐1374(文中3∥応安7)
南北朝時代に活躍した法体の人物で,1886年に重野安繹が学界に紹介した《洞院公定日次記(とういんきんさだひなみき)》の応安7年(1374)5月3日条の記事により,《太平記》の作者として注目された人物。同記事は〈伝聞〉として,前月の28~29日ごろに彼が死亡したこと,彼が〈太平記作者〉であること,〈卑賤の器(うつわ)といへども名匠の聞え〉のある人であったことを伝えている。しかしその実体については学説が分かれており,備前の児島を本拠とした山伏とみる説,比叡山延暦寺に関係した散所(さんじよ)法師で芸能者,物語僧(ものがたりそう)とみる説などがある。

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大辞林 第三版の解説

こじまほうし【小島法師】

?~1374) 南北朝時代の物語僧。伝未詳。「公定公記きんさだこうき」の応安7年(1374)5月3日の条の記述により「太平記」の作者に擬せられる。

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世界大百科事典内の小島法師の言及

【児島高徳】より

…時に范蠡(はんれい)無きにしも非(あら)ず〉を記しおいて天皇の胸をうったという挿話は,国定教科書をつうじて国民のあいだに浸透し,またそのことを歌いこめた《尋常小学唱歌》の唱歌《児島高徳》も広く愛唱された。 1886年に《太平記》の作者が〈小島法師〉という人物であることを明記した史料(《洞院公定日次記(とういんきんさだひなみき)》)が学界に紹介されてのち,この〈小島法師〉こそは児島高徳その人であろうとする説もあらわれ,論議を呼んだ。高徳に縁の深い備前の児島は熊野派の修験道の根拠地として栄えた土地であり,《太平記》には修験道に関する造詣の深さをしのばせる記事が豊富であるし,また〈宮方(みやがた)〉(南朝)に近しい叙述ぶりになっていることなどが同一人物説を支える論拠となりやすいが,確証はなく,現在では両者をまったく別人とする考え方がきわめて有力である。…

【太平記】より

…40巻。
[成立と作者]
 南北朝動乱期の不安な世情をよく写している《洞院公定(とういんきんさだ)日記》の応安7年(1374)5月3日条に,(1)〈小島法師〉が4月28日か29日に死んだこと,(2)彼は最近広く世間で愛好されている《太平記》の作者であり,(3)〈卑賤の器〉ではあるが〈名匠の聞(きこえ)〉を得ていること,の3点が記されている。この記事は《太平記》成立当時における,作者に関しての唯一の確実な資料である。…

※「小島法師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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