20世紀日本人名事典 「尾崎 一雄」の解説
尾崎 一雄
オザキ カズオ
昭和期の小説家
- 生年
- 明治32(1899)年12月25日
- 没年
- 昭和58(1983)年3月31日
- 出生地
- 三重県度会郡宇治山田町(現・伊勢市)
- 出身地
- 神奈川県小田原市曽我谷津
- 学歴〔年〕
- 早稲田大学文学部国文科〔昭和2年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 芥川賞(第5回)〔昭和12年〕「暢気眼鏡」,野間文芸賞(第15回)〔昭和37年〕「まぼろしの記」,野間文芸賞(第28回)〔昭和50年〕「あの日この日」,文化勲章〔昭和53年〕
- 経歴
- 大正5年志賀直哉の「大津順吉」を読んで、作家を志願する。6年中学を卒業、法大で文学書を読み寄席や歌舞伎に通う。9年早稲田高等学院に入学し、学友会雑誌に「田川君の話」などを発表。13年早大国文科に進学、14年同人誌「主潮」を創刊して「二月の蜜蜂」を発表。昭和8年丹羽文雄らと同人誌「小説」を創刊。野性とユーモアの混合した独自の心境小説を産み出す。この頃「早稲田文学」の編集に携わる。12年「暢気眼鏡」で芥川賞を受賞して文壇に登場。19年胃潰瘍で倒れ、自らの病いを描いた「こほろぎ」、人間の生死の意味を追究した「虫のいろいろ」「まぼろしの記」などの作品を書く。「虫のいろいろ」は数か国で翻訳され、高い評価を得ている。晩年は神奈川県近代文学館の設立に尽力した。39年芸術院会員、53年文化勲章受章。全集に「尾崎一雄全集」(全15巻 筑摩書房)がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報