やまぐちまつりともいう。平地の農民が山中に立ち入って狩猟,伐木その他山林の資源を採取するに際して,山林に立ち入る通路の入口で山の神を祭り,行動の安全と立入りの許可を祈願すること。山口にある大木や岩石を山の神の座にみたて,ここに柴を折ってさし,酒などを注いで祈ることは,現在でも伐木業に従う人々が行っている。狩人ももとは山口で柴を折って手向け,または頭を垂れて獲物があることを願った。やがてこの場所に小祠を建てて定期の祭儀を執行するようになった。越後平野に臨む丘陵地や信州八ヶ岳のすそ野では,このような各集落から山林に入る口ごとに,それぞれの村のまつった山の神の社殿や石,老木などが並立している。《延喜式》には山口社が多く記載され,伊勢神宮の式年遷宮のための山口祭の用具が示されている。また,祝詞(のりと)の中に,社殿用の伐木のための祝詞が掲げられていて,この祭儀が古代から重視されてきたことが知られる。
執筆者:千葉 徳爾
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
… 日本の古い建築儀礼としては,《古事記》や《日本書紀》に記された新室楽(にいむろうたげ)や室寿(むろほぎ)があり,とくに《日本書紀》清寧紀にはそのときの祝詞と歌謡が記載されている。古代の伊勢神宮の造営では,山口祭(やまぐちまつり)(杣山(そまやま)の入口でその神をまつる儀式),木本祭(きのもとまつり)(正殿の忌柱を切るときの祭り),鎮地祭(ちんじさい)などが行われた。古代寺院の造営でも,基礎工事では鎮壇具を地中に埋めて安全を祈り,完成のときには造立供養(ぞうりゆうくよう)が行われた。…
…伊勢神宮では神殿造営のはじめ中央に立てる忌柱(いむばしら)または心御柱(しんのみはしら)の御柱立の行事がある。まず吉日を選んで山口祭をし,心の柱を造る吉日を卜して内人(うちんど)たちが杣入し,木本祭(このもとまつり)を行い忌柱を造って杣より敷地に運び出す。ここでまた吉日を選んで地鎮祭を営む。…
※「山口祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
[1973~ ]プロ野球選手。愛知の生まれ。本名、鈴木一朗。平成3年(1991)オリックスに入団。平成6年(1994)、当時のプロ野球新記録となる1シーズン210安打を放ち首位打者となる。平成13年(...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新