岩沼(読み)イワヌマ

デジタル大辞泉 「岩沼」の意味・読み・例文・類語

いわぬま〔いはぬま〕【岩沼】

宮城県南部の市。奥州街道宿場町として発展東北本線常磐線分岐点。承和9年(842)創建と伝える竹駒神社稲荷)、北東部には仙台空港がある。人口4.4万(2010)。

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精選版 日本国語大辞典 「岩沼」の意味・読み・例文・類語

いわぬまいはぬま【岩沼】

  1. 宮城県南部の地名阿武隈川下流左岸にあり、かつて陸奥の国府が置かれたともいわれ、江戸時代には奥州街道の宿場町として栄えた。日本三稲荷の一つの竹駒神社がある。昭和四六年(一九七一市制

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩沼」の意味・わかりやすい解説

岩沼(市)
いわぬま

宮城県南部の市。1971年(昭和46)市制施行。西端に丘陵があるが、東の太平洋まで沖積平野が広がり、南境には阿武隈(あぶくま)川が流れる。JR東北本線と常磐線(じょうばんせん)の分岐点にあたり、国道4号、6号や仙台東部道路(常磐自動車道に直結。岩沼インターチェンジがある)も通じる交通の要地である。北東部、名取(なとり)市にまたがって仙台空港がある。2007年(平成19)に仙台空港とJR仙台駅を結ぶ仙台空港アクセス鉄道が開通した。古代には多賀城(たがじょう)以前の陸奥(むつ)国府が置かれたとの説もあるが、確証はない。日本三稲荷(いなり)の一つとされる竹駒神社(たけこまじんじゃ)は少なくとも室町時代末には存在し、門前集落があったと考えられている。近世にも農業、飼馬、養蚕の神として庶民の信仰を集めていた。江戸時代には仙台藩の支城(要害)の城下町として、また奥州街道の宿駅として繁栄した。一時期、岩沼藩田村氏3万石の城下町であったが、1687年(貞享4)以後は古内氏が居住した。現在は仙台市のベッドタウンであり、仙台空港近くに臨空工業団地が造成されるなど、工場の進出もみられ、都市近郊農業も盛んである。中期前方後円墳のかめ塚古墳は県指定史跡牡丹(ぼたん)園のある金蛇水(かなへびすい)神社がある。面積60.45平方キロメートル、人口4万4068(2020)。

[後藤雄二]

〔東日本大震災〕2011年の東日本大震災では死者186人・行方不明1人、住家全壊736棟・半壊1606棟を数えた(消防庁災害対策本部「平成23年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)について(第159報)」平成31年3月8日)。2019年(令和1)5月時点で、市は津波の力を減衰させ避難場所にもなる「千年希望の丘」の整備などの復興事業に取り組んでいる。

[編集部 2019年10月18日]

『『岩沼市史』(1984・岩沼市)』


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改訂新版 世界大百科事典 「岩沼」の意味・わかりやすい解説

岩沼[市] (いわぬま)

宮城県南部にある市。1971年市制。人口4万4187(2010)。阿武隈川下流北岸に位置する。早くから集落がひらけ,武隈(たけくま)の里と呼ばれ,一時陸奥の国府が置かれたこともあり,市の西部には古代の東(あずま)街道が通じていた。近世には陸羽街道と陸前浜街道の分岐点の宿場町であり,現在も国道(4号と6号)およびJR(東北本線と常磐線)の分岐点で,また北に接する名取市にまたがって仙台空港があり,交通の要地である。以前は仙台平野南部の水田地帯に位置する商業町であったが,1969年新産業都市への編入を機会にパルプ・ゴム製品の大工場や各種中小工場が進出して工業都市の性格を強めている。仙台から20kmの近距離に位置し仙台への通勤・通学者も多い。日本三稲荷の一つといわれる竹駒神社や,千貫神社,金蛇神社,長谷寺,東安寺など史跡に富む。
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百科事典マイペディア 「岩沼」の意味・わかりやすい解説

岩沼[市]【いわぬま】

宮城県南部,阿武隈川下流北部の市。1971年市制。中心市街は古く国府が置かれ,のち奥州街道の宿場町として発達。東北本線と常磐線の分岐点で,仙台市への通勤者が多い。ハクサイを産し,漁業も行う。1964年仙台湾地区が新産都市に指定されたのを機に,パルプ,ゴム製品などの工場が進出した。竹駒神社の初午祭は有名。北東部の名取市にかけて国際空港の仙台空港がある。東日本大震災で,市内において被害が発生。60.45km2。4万4187人(2010)。

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