岩舟(読み)いわふね

日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩舟」の意味・わかりやすい解説

岩舟
いわふね

栃木県南部下都賀郡(しもつがぐん)にあった町(岩舟町(まち))。現在は栃木市の南西部に位置する一地区。旧岩舟町は1962年(昭和37)町制施行。2014年(平成26)栃木市に編入。JR両毛(りょうもう)線と東武鉄道日光線が通じ、国道50号も東西に横断する。東北自動車道と北関東自動車道が接続する岩舟ジャンクションがある。1972年の国道50号のバイパスと、東北自動車道の開通により、都市近郊型農業果樹、野菜、施設園芸、畜産などが盛んとなった。岩船山では凝灰岩採掘。縫製工業や土管、食料品の製造とともに、最近では電気器機と金属製品の生産額が多くなった。慈覚(じかく)大師ゆかりの大慈寺(だいじじ)や藤原秀郷(ひでさと)が戦勝祈願をしたといわれる村檜神社(むらひじんじゃ)(本殿は国指定重要文化財)などもある。旧岩舟町の人口は1万8241(2010年国勢調査)。

[村上雅康]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「岩舟」の意味・わかりやすい解説

岩舟[町] (いわふね)

栃木県南西部,下都賀(しもつが)郡の町。1962年町制。人口1万8241(2010)。町域の北半部は足尾山地南端の丘陵で,南部は台地である。かつては米麦を中心とした農業と,建築用の岩舟石の採掘,陶管製造などの地場産業が行われてきたが,1960年代末ごろからはブドウ栽培が盛んになり,苗木の生産もある。70年代中ごろからは国道50号線バイパス周辺に自動車部品,電器などの工場が進出している。隣接する栃木市,佐野市への通勤者も多い。慈覚大師が修行したと伝えられる大慈寺,岩舟山上の高勝寺,本殿が重要文化財に指定されている村檜神社など旧跡が多い。JR両毛線,東武日光線が通じる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岩舟」の意味・わかりやすい解説

岩舟
いわふね

栃木県南部,栃木市西部の旧町域。下野平野の南西部に位置する。1956年岩舟村小野寺村,静和村の 3村が合体して岩舟村となり,1962年町制を施行し岩舟町となった。2014年栃木市に編入。北部太平山丘陵地で岩舟石を産するほか,ナシ,苗木,ブドウなどが特産。高勝寺,本殿が国指定重要文化財の村檜神社(むらひじんじゃ)などがある。地域の一部は太平山県立自然公園唐沢山県立自然公園に属する。JR両毛線が通る。面積 46.74km2。人口 1万8241(2010)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「岩舟」の意味・わかりやすい解説

岩舟[町]【いわふね】

栃木県南部,下都賀(しもつが)郡の旧町。両毛線と東武日光線が通じる。北半は丘陵で山林が多く,南半は平地で農地に富む。ブドウ,ナシ,米,麦などを産し,建築用の岩舟石を特産する。岩舟山上に高勝寺(岩舟地蔵尊)がある。東日本大震災で,町内において被害が発生。2014年4月栃木市へ編入。46.74km2。1万8241人(2010)。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

スキマバイト

働き手が自分の働きたい時間に合わせて短時間・単発の仕事に就くこと。「スポットワーク」とも呼ばれる。単発の仕事を請け負う働き方「ギグワーク」のうち、雇用契約を結んで働く形態を指す場合が多い。働き手と企...

スキマバイトの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android