納豆汁(読み)ナットウジル

デジタル大辞泉 「納豆汁」の意味・読み・例文・類語

なっとう‐じる【納豆汁】

すりつぶした納豆を入れた味噌汁。具には豆腐ほかこんにゃく・シイタケ・油揚げなども用いられる。なっとじる。 冬》
[類語]汁物吸い物あつもの澄まし汁お澄ましつゆお付け味噌汁おみお付け粕汁薩摩汁けんちん汁豚汁とろろ汁三平汁のっぺい汁鯉濃こいこく水団すいとん

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精選版 日本国語大辞典 「納豆汁」の意味・読み・例文・類語

なっと‐じる【納豆汁】

〘名〙 =なっとうじる(納豆汁)《季・冬》
※俳諧・東日記(1681)坤「尽て又のね覚や納豆汁〈其角〉」

なっとう‐じる【納豆汁】

〘名〙 納豆をすりつぶして味噌を加え、だし汁でのばして豆腐やネギなどを実にした味噌汁。なっとじる。《季・冬》
※師郷記‐永享一二年(1440)自二月一日至三月九日紙背(某書状)「納豆汁まいらせられ候」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「納豆汁」の意味・わかりやすい解説

納豆汁
なっとうじる

山形県の郷土料理。海に遠い県下内陸地方では、昔からダイズをタンパク質源として活用しているが、納豆汁はその代表的なものである。とくに旧正月7日には、各家庭でこの納豆汁をつくる。材料は、すり鉢ですりつぶした納豆と、1センチメートル角に切ったこんにゃくと豆腐、油抜きした油揚げ、水でもどしたずいきも1センチメートル角に切り、セリは3センチメートル、ネギは1センチメートルの長さに切って用意する。鍋(なべ)にだし汁を入れ、こんにゃく、ずいき、しょうゆを入れて煮立て、つぶした納豆を加え、豆腐、ネギ、セリの順に加えて、熱いうちに七味唐辛子を散らして食べる。

多田鉄之助

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日本の郷土料理がわかる辞典 「納豆汁」の解説

なっとうじる【納豆汁】


山形の郷土料理で、豆腐・こんにゃく・きのこなどを具にしたみそ汁に、すりつぶした納豆を加えたもの。

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世界大百科事典(旧版)内の納豆汁の言及

【納豆】より

… 糸引納豆はタンパク質やビタミンB2に富み,消化吸収のよいすぐれた食品である。刻みネギを加え,からしじょうゆで味をととのえて飯にかけて食べ,あるいは,すりつぶしたものをみそ汁でのばして納豆汁にする。納豆あえは,刻んだ納豆をからしじょうゆで調味し,それでヒラメ,サヨリなどをあえる。…

※「納豆汁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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