恍惚・慌惚(読み)こうこつ

精選版 日本国語大辞典 「恍惚・慌惚」の意味・読み・例文・類語

こう‐こつ クヮウ‥【恍惚・慌惚】

〘名〙 (形動ナリ・タリ)
物事に心を奪われてうっとりすること。物事に見とれたり、聞きほれたりしてうっとりすること。また、そのさま。
※性霊集‐一(835頃)秋日観神泉菀「彳亍神泉物候、心神怳惚不帰」
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉四「数日の間、恍惚として」 〔礼記‐祭義〕
② 頭などがはっきりしないこと。物忘れが激しいこと。ぼんやりしていること。また、そのさま。〔病論俗解集(1639)〕
※恍惚の人(1972)〈有吉佐和子〉一四「夢と現実の境界にある恍惚の世界に魂を浮ばせているようだった」
[補注]昭和四七年(一九七二)の有吉佐和子著「恍惚の人」によって、老年痴呆症(認知症)についていうことが流行した。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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